スコッチ・ウイスキー
スコッチ・ウイスキー(英:Scotch whisky)とは、英国人の生命の水である。「生命の水」と説明されると誇大表現に感じられたかもしれないが、この表現に誤りは無い。「泥酔作用及び味覚の麻痺」という効能を持つこの水があるから、彼らは不味いと評判の自国料理を摂取出来るからだ。
製造過程[編集]
大麦[編集]
まず、8月末から9月中旬に実った麦を2ヶ月以上は穂に付けたまま放っておく。これは結実したばかりの大麦は深い味が出ないからである。2ヶ月後、穂に付けたままの麦は黒っぽくカビが生えている、19世紀末まではこのまま使用していたが、現代では食品衛生法に引っかかるため、アルコールにつけて殺菌を行っている。
その後よしずの上に麦を並べ下で生ゴミを焚いて乾燥させる。この工程は「ゴミ焚き」と呼ばれるが、実際には生ゴミだけで乾燥させる方法は少数派で、これにプラスチックやガソリンなどを焚いて乾燥させた空気を送り込んで乾燥させるのが普通である。
この混合比や、乾燥時間が、それぞれのウイスキーに舌を刺すような刺戟的な風味を与える。
大豆[編集]
茹でた大豆を、潰し(現在は機械が行っている)麹を混ぜて、杉樽に入れ温度を38度~40度の間に保つ、3日も経てば大豆の表面は麹菌に覆われるが、乾燥はさせず、今度はさらに2カ月ほど涼しく、暗い所で保存する、2ヶ月後樽の中身はカオスな状況を呈してくる。
これを攪拌すると、あぶくが浮き上がってきて、ものすごい臭いがするが(干しイワシのようなにおいと形容される)無視して次の工程へと向かう。
糖化[編集]
乾燥した麦芽を、屈強な男たちが愛を込めつつ、粉砕する。この工程は現代も人力で行われており、また、女性がこの工程に参加することは伝統により禁じられている。(日本であれば女性の権利を主張する団体が断固抗議するであろう)
粉砕された状態の麦を「粉砕された麦」と呼ぶ。そのまんまである。その後麦を「マッシュタン」と呼ばれる大きな銅製の鼎(かなえ)に移す。それにしても「マッシュタン」言葉に出すとかわいい響きである。
これに前述したドロドロの大豆と愛と汗を加えて攪拌し、男たちが「マッシュタン」の周りで火を焚きながら、今年の酒の醸造を祈る神事「ラグビー」をその部屋で行う。
男たちが部屋でぶつかり合うことと、マッシュタンの下で火を焚くことによって部屋の温度が上昇し、(時には部屋の温度が60度を超えることもある)酵素の作用により、デンプンが、臭い液体へと分解される。こうしてできた液体(男汁ともいう)を抽出する。これを糖化(マッチング)という。糖化は通常一日に2、3回行われるので、20代30代の男しか体力が持たず、昔ながらの製法に頼る醸造所では後継者不足が懸念されている。
発酵[編集]
出来た液体をそれなりに冷やし、市販の粉を加えて、(昔ながらの製法の醸造所も、何が発酵をさせる要因かは分からないため、市販の粉に頼らざるを得ない) ポリバケツに流し込み、冷所に保存する。
また、通常は3か月ほどで発酵を終了させる、あまり放っておくと、乳酸菌が異常繁殖して、酒と言うよりも酢に近いものになってしまう。
蒸留[編集]
発酵が完了した液体を、ドラム缶にいれ、下から火を焚く、ドラム缶の上にはトタンをはり、湧き上がる蒸気をそれなりに受ける仕組みになっている。これによって採取された液体は濁った黄色をしており、見た目にも美しくないので、DHMOをドボドボ混ぜて薄める。
熟成[編集]
ここまでくるとついに熟成の段階である、熟成用の袋には、主に動物由来の物を使用する、以下が主な袋である。
- 熊の胆嚢
- 最も高級な袋であり、胃腸薬としても有名な熊の胆嚢を使用、熟成とともに風味にコク、苦み、獣臭さを増す、よく言えば野趣にあふれる味となる。
- 豚の膀胱
- 膀胱といえば豚さんのイバリがたまっていた所である、なんてことを言うと顔を顰める人もいるかもしれないが、生ハムで有名なプロシュートも豚の膀胱に詰めるということを考えればちっともバッチくはない。
- 子牛の第四胃
- 乳だけを飲んでいる子牛の第四胃でなければならない、中に含まれている凝乳酵素が味に深みをもたらす……かもしれない。
認定基準によって、少なくとも3年間の熟成が必要とあるが、3年も熟成させると「野趣」が飲み慣れていない人には強すぎるので、醸造所は政府の目を逃れて観光者向けに1年熟成のウイスキーを密売している。
認定規格[編集]
イギリス政府の厳しい規格が以下の通りである。
- スコットランドで醸造されたものだけがスコッチ・ウイスキーを名乗ることができる。
- 蒸留後3年間の熟成期間を待たずに販売してはならない。
- 色付けにキャラメルを使用するのは可、その他の色付け(赤色1号、黄色3号など)は不可。
- 糖化工程には若くて屈強ないい男しか関わってはならない。
飲み方[編集]
コップの中にアイスピックを使用して削った氷を浮かべ、それを南極の氷山に見立てていただくのを、「オンザ・ロック」と呼ぶ。氷は必ずアイスピックを用いて削るべきであるが、氷自体はコンビニで売っているものでも自宅の冷蔵庫で作ったものでも良い。
ここ日本で最も普及している飲み方はウイスキーとDHMOを2:8で混ぜて飲む方法であるが、本場での割合は1:1が基本であって、日本人の飲み方は英国人から「日本人は水が飲みたいのかウイスキーが飲みたいのか分からない」とバカにされている。
また、手を加えずにそのまま飲むのをニートという。日本語に直訳すると「自宅警備員」であり、なぜ酒の飲み方にこんな名前が付いているかは不明。