セーシェル
Republic of Seychelles (英語)
セーシェル共和国( - きょうわこく)とは、1976年までイギリス連邦の王冠を飾っていた「インド洋の真珠」である。「大英帝国の至宝」たるインドと比べると宝石としての値打ちは低いものの、深みのある光沢の美しさは今なお人々を惹きつけてやまない。
「地上最後の楽園」といった呼び名もあるが、自然の宝庫であるとかアフリカの国にしては生活が豊かであるという意味合いである。短期間だけであっても社会主義体制をとっていたのは事実だが、地上の楽園とはなんら関わりはない。
歴史[編集]
セーシェルはマダガスカルと同じく、海路によって辿り着いた様々な人種が集まっている。また、島国という特性上、大陸での争いにはおおよそ無関心であった。
18世紀になって、フランスが植民地化のために探検隊を送り、諸島一帯をセーシェルと勝手に名づけた。その後、イギリスと植民地の取り合い、領有権はイギリスに移る。
その後、特筆することもなく1976年に独立。だが、翌年の1977年、平和な楽園に事件が起こる。ルネという男がクーデターを決行し、実権を掌握したのである。その後、ルネは徴兵制を敷き、軍備を大幅に増強した。恐るべきことに、全軍を450名にまで増員したのだ。……なんともささやかなクーデターである。後述のクーデターとは違い、戦闘すら起こらなかった。
この後、セーシェルは一党独裁下でソ連や中国、北朝鮮など共産主義国家に接近し、社会主義へ傾いていく。この時代、敵陣営には見境なくクーデターと革命を仕掛けるのが流行となっていたのだが、たった全兵力が3桁の人数しかいないセーシェルも標的となった。何度か西側の干渉でクーデターが計画され、1981年には隣国のタンザニアから援軍を受けて鎮圧する事態にまで発展した。
1993年、ソ連崩壊で一党独裁の維持が難しくなったため複数政党制へ移行。2004年にはルネが大統領を退いた。未だにルネの率いていた党が議会の過半数を占めているものの、民主主義化の傾向は強まっていると考えられる。
ただ、政治体制に関わらず治安や経済は安定しているので、国民はあまり気にしていない可能性もある。一国の大統領という名誉を除けば大した権益もないので、偉くなることに興味がないのかもしれない。
地理[編集]
セーシェルはアフリカ大陸の東側、マダガスカルの北側に位置した、大小様々な島と真珠が100以上集まってできている国である。
近年になってセーシェルの島々を形作っているのは造礁サンゴではないかという説が浮上した。事実、世界遺産に登録されているアルダブラ環礁を形作っているのはサンゴであることが判明した。しかし、真珠だろうとサンゴだろうと結局は炭酸カルシウムなので大した違いはなく、真珠だと言い張っても良いのである。
ただし、国土の大半はただの土塊であるため、全体を指して「インド洋の真珠」と呼べるかどうかについては議論の余地が残るところである。
経済[編集]
主産業は国内の真珠を資源とした観光である。赤道間近に位置する美しい島国であり、真珠に様々な生物が生息していることなどもあって、主に欧米から観光客が多く訪れている。だが、近年はソマリアの海賊が近海に出没しているため、客足が遠のいているらしい。海上の安全のため、兵力500名未満の防衛軍には是非とも奮戦して欲しいところである。
その他、マグロ漁などの漁業やココナッツの栽培といった農業といった第一次産業も目立っている。ただ、これらは輸出向けなので国内では消費されない。あまり問題視されていないが、セーシェルは食糧自給率ほぼ0%という凄まじい数値を誇っているモノカルチャー経済国家なのである。
現在、他の産業の育成が行われているものの、国の規模から考えれば背伸びにしかならないことが容易に想像できてならない。
いずれにせよ、国民所得はアフリカで最も高く、充実して安定している国であることは間違いない。
国旗[編集]
セーシェルの国旗は政治体制が変遷するたびに、類稀なる感性を持った者が作成し……いや、セーシェルの皆さんには申し訳ないが、はっきり言っておくのもやさしさである。
セーシェルの国旗はダサい。
植民地時代の旗を除けば、例外なく全部ダサい。建国当時である1976年の国旗はまだ理解できるものの、クーデター後の旗は南国情緒が溢れている。下の落書きがされた国旗は、国旗の意図を忠実に表しているのだから恐ろしい。その後、現在のパチンコ屋のネオンのような国旗に変更となった。次はどんな国旗になるのか見当もつかないが、更にダサくなることだけは確実である。
国章[編集]
国章に関しては元宗主国がイギリスだったためか、紋章学に則した意匠となっている。サポーターに使用されている生物はメカジキ2匹、シールド(盾)にはカメ、帆船、ココナッツの木である。この意匠は控えめに見ても独特なものであり、南国の情緒がひしひしと感じられてならない。西洋風の兜が配置されているのは和やかなムードを引き締める目的だと考えられるが、その上を鳥が飛んでいるため台無しになっている。
もっとも、アフリカの国家でありながら血みどろの争いとはほぼ無縁の楽園なので、これで良いのかもしれない。
関連項目[編集]
- モルディブ - 同じく「インド洋の真珠」
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