タール便

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タール便(タールびん)とは、かつて存在した郵便物の一つ。英語ではメレナと呼ぶが、これはメール(手紙)が転訛したものである。その色から黒色便とも言われる。

概要[編集]

中世ヨーロッパで、戦場から騎士が急を伝えようと出した手紙が、傷だらけの手で書いた為に血まみれになってしまい、到着する頃には黒く変色してとても読めたものではなかったという故事に由来するという。

タール便が広く用いられるようになったのは19世紀のことである。この頃、ヨーロッパでは近代郵便事業の発達とともに、日常の他愛のないやりとりから、人に知られたくないような情報、さらには公的書類や企業の機密情報までが、郵便という流通に一斉に乗せられることとなった。そこで、いかにして個人のプライバシーや機密情報を守るのかという事が俄に問題となった。そういった問題を解決するため、活用されたのがタール便である。日本では、明治時代に郵便制度が開始されたのに伴って導入された。

タール便の目的はその名の通り、封書全体にタールを塗りつけ、封書の中身が透けて見えないようにすることにある。宛名書きは、張り紙をして上から書いた。当時としては画期的な技術であり、タール便は一気に世の中に普及することとなった。いかめしい黒い封筒は権威の象徴でもあり、郵便受けにタール便が入っていると受取人は顔をこわばらせたという。借金の督促状や裁判所からの通知等にもタール便が使われたため、タール便を放置していると大変なことになるというのは社会的な常識となった。しかし一方では、恋文などをタール便で送ることによって、本気であることをアピールするという目的にも用いられていた。当然ながらタール便は一般的な封書よりも高価であり、およそ3割値段が上乗せされていたと言われる。

他方、タール便は、表立って言えないような社会への愚痴や不満、批判の受け皿としても活用された。そのためタール便には、「社会病理の告発状」という別名がある。こうしたことから、政府による調査報告である白書に対し、民間からの独自調査や告発を指す黒書という言葉が生まれた。しかし政府はタール便に込められた大衆の不満を検閲によって潰し、その結果日本社会を蝕む病は着実に進行していった。やがて戦争の足音とともに郵便物への検閲が厳しくなると、タール便そのものが一時期廃止された。

衰退[編集]

戦後、通信の秘密が保証されたことによりタール便が復活したが、やがて安全性の面での問題が指摘されるようになった。石炭から造られるタールは、特にベンゼンを多く含んでおり、発癌性があり人体に有害であると批判された。特に大腸癌や胃癌との関係性が強く指摘された。その後、特殊なシール等の郵便における情報保護技術の発達により、タール便は再び廃止されることとなった。時代に翻弄され、様々な階層の人々から利用されてきたタール便の使命は、こうして終わりを告げたのである。ただ、黒書という言葉は今なお現役であり、そこにタール便がかつて果たそうとした役目の一端を垣間見ることができる。

現代[編集]

タール便をモチーフにした黒い封筒。

タール便にはレトロな趣があるため、最近はタール便を模した黒い封筒も販売されているようだ。もちろんタールは使われていないので、安心して使用できる。現代では、上からシールを貼って文字を入れることも容易である。

関連項目[編集]


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