先発投手
先発投手(せんぱつとうしゅ)は、野球などで試合の最初に投げる投手のこと。
概要[編集]
通常はチームの投手が起用されるが、プロ野球の世界では芸能人や政治家などが先発投手に起用されることがしばしばある。
芸能人などは球速やコントロールがプロの投手と比べて著しく劣り、投げた球の軌道が放物線を描いたり捕手へ届かずワンバウンドしたりするなど、一見するとほとんど投手として役に立たないように思われる。しかし、打席に立ったバッターはまさか先発にプロ野球選手以外の人間が起用されるとは思っておらず動揺してしまうのか、見送ればボールになる球に対してついバットを振ってしまい、しかも空振りをする人がほとんどである。
バッターは気持ちを落ち着かせ次の球に対処しようとするも、このような投手は大概1球のみの起用が多いためバッターは拍子抜けしてしまう。
投球時のルールを知らない者が先発投手としてマウンドに立つこともあり、プレートより前から投げたり、どう見てもルールに反したようなピッチングフォームを行うことがよくあるが、審判は気付くこともなく、相手チームから抗議がくることもない。2019年4月27日、東北楽天ゴールデンイーグルスでは、スポンサーの進言によって起用された芸能人がこれを利用して多段フォームをし、相手チーム千葉ロッテマリーンズの一番打者を打席で数分間立たせ続けたことがある。ただし、この時は、楽天の選手らも調子を狂わせたのか、試合には敗れている[1]。
また特殊な例として2人以上の投手が同時に先発することがあるが、審判は先発投手がものすごい高速で動いて分身が見えているものと勘違いしているのか、そのまま試合を続行してしまう。バッターはというと、二日酔いがとれていないから二重に見えるのだろうとやはり気にしない。2009年7月1日の東京ドームでの巨人戦では12人が先発投手、12人がスタメン捕手という事例もあったが誰も気にしなかった[2]。
実力[編集]
芸能人ピッチャーに対してバッターに芸能人を起用して対抗するチームもある。かつてヨネスケが先発を務めた時、相手チームは先頭バッターに若乃花を起用し、見事ヒットを放った。しかしヨネスケ、若乃花ともにこの一球のみで終わった。野球が本業でない力士にもヒットを打たれることから、先発投手の実力の低さが推し量られる。
一方で、政治家である小渕恵三もアメリカ大リーグで先発投手を務めたことがある。彼は初球でストライクゾーンど真ん中にストレートを投じ、打者から空振りを奪った。先発投手は必ずしも投球が下手というわけではないということを証明した。
さらには中日ドラゴンズの今中慎二も2002年3月の引退試合に先発して谷佳知から三振を奪っている。このように打者に対して数球投じることもあり、先発投手としての実力を見せつけている。