地方局
地方局(ちほうきょく)とは、独立した地方の民間放送局であり、番組制作能力の乏しいキー局のかわりに、「系列」としてキラリとセンスの光る番組を量産している中小放送局のことである。中央の手出しにより編成がおかしくなることも多く(特に複数のキー局が編成に係わった地方局は悲惨としか言いようがない)、痴呆局とも呼ばれることもままある、かわいそうな存在である。なお、NHKにおいては、茨城県には県域の民間放送局が存在しないためにエビジョンイルによって強引に開局した(そのおかげで茨城県が首都圏ネットワークから外された)NHK水戸放送局を除いては、その限りで無い。なお、キー局の存在しない独立局に関してはお察しください。
概要[編集]
地方局の位置づけは、中央の編成委員の視点でいうと
「キー局(東京)>>>>>準キー局(大阪)>>>基幹局(名古屋>>>>>福岡・札幌)>>>>>>>>>>>>>>>地方局」となるが、
実際の視聴者から見れば 「地方の深夜番組>>>>>>>>>>>>>>>中央のゴールデン」という存在であり、それ以上に、「あのクソったれ事務所の芸能人を使う金がない>>>>>>>>>>>>>>>中央のゴールデン」という存在でもある。これは、決してジャニーズのことではない。ジャニーズのおかげで番組が面白くなくなることでもなく、ジャニーズが芸能界のガンということでもなく、SMAPの平均年齢のことも考えないで使い続ける中央のバカらしさのことでもない。ようは、その番組にセンスがあって面白いかどうかである。
というわけで、TV局カーストでは最下層にあたる存在だが、決して無視してはならない。なお、人によっては基幹局までが「地方局」とか、準キー局までが地方局とか、テレビ東京系が入っていない県が地方局など色々な定義がある。なお、基幹局がタレントや番組制作ノウハウを持っている会社の大半が東京に集中しているのと、「東京一極集中における地方文化の消滅」を旗印に、中央でクソ面白くないバラエティを量産する傍らで、その流れに反する良質なローカル番組を制作している。また、大阪の準キー局は、関西ローカル番組をキー局以外全国ネットにする事によって(例:たかじんのそこまで言って委員会)、東京を「一部地域を除く」の一部地域扱いするほど、その番組制作能力は高い。他にも、ニュース系列局ではブロックネット(共同番組制作、および共同放送)の名の下に、「自県民対象のローカル番組(例:ドォーモ)」さえも近隣県に半強制的に垂れ流すことがあり、大体において売れかけのお笑い芸人と日陰の芸能人が適当な温泉で飲んだり食ったりしているため、地元が出ているならともかく、他県の人間にそんなものを見せても意味はないため、近隣県民には大不評である。
なお、地方独自の予算編成のため、深夜の時間帯はやけににこやかな外人が大変落ちやすい汚れを毎回違う洗剤で洗い流す番組で埋めたり、教育県だと深夜1時で放送を終えるところもある。朝までずっとニュースか天気予報が流れていることもある。
なお、中央の寂れっぷりとは裏腹に、ナイトスクープ、ラブちぇん、どうでしょうや1×8いこうよ!と言った地方局発のローカル番組は、本来敵となるはずのインターネットでも大人気で、深夜帯、もしくは土曜日の午後1~2時といった時間帯に全国で放送される番組も増えており、現在、関東地方において地方の叛乱というべきキー局が系列局の番組を放送する「逆ネット現象」が起こる事態にまで発展している。しかし、これは下克上というわけではなく、中央の番組制作力の衰退により、勝手に自壊しただけである(例:情報ライブ ミヤネ屋)。
なお、これと言った大企業がない道県にある地方局は、電力会社が筆頭株主であり、また、一つか二つあったとしても、同じCMを30年流すローカル企業という側面が大きいため、どうしても地方局は原発事故は電力会社とつるんで隠蔽するか批判をかわすためにほんの数秒報告し、一切の批判はしない。
ただし、例外的に東京電力や関西電力が筆頭株主でなかったキー局のお蔭で、高速増殖炉もんじゅの事故や東海村の核処理施設被曝事故は大々的に報道される始末となった。また、新潟県中越沖地震の際も、世界中が原子力発電所の真下で起こった地震について注目したため、余すところなく報道された。
その結果、いまだに柏崎刈羽原子力発電所は止まったままである。
地方局の名称[編集]
- 地域密着をアピールするために、地名をそのまま局の名称に用いるのが通例である。最も分かりやすい県名を用いた名称の取り合い合戦を避けるため、放送やテレビといった語でうまいこと区別する方式がよく取られる。これにより、少なくとも『北海道テレビ』『テレビ北海道』『北海道放送』『放送北海道』の4通りのパターンを作ることができる。これでも足りない場合は、『とちぎテレビ』『ミヤギテレビ』『サガテレビ』などのように県名を平仮名や片仮名にする工夫もする。それでも足りない場合は『北海道文化放送』『福島中央テレビ』『新潟総合テレビ』『岩手めんこいテレビ』『静岡第一テレビ』『長崎国際テレビ』などのように、好きな単語を真ん中に挿入する。
- 県名以外の その土地の様々な呼び名や名産品などを付ける工夫も、一部では成されている。その巧妙な一例が前者は岡高地域における『岡山放送』『山陽放送』『瀬戸内海放送』『西日本放送』、後者は『さくらんぼテレビ』『チューリップテレビ』などである。なお、これでも足りない場合は、『牛窓放送』『小豆島放送』『桃太郎テレビ』『うどんテレビ』など、県内のそこら辺の地名や名産品の名前を使えば いくらでも捏造することができる。ただし、福井県に宮崎という地名があるからといって『テレビ宮崎』などという名称を与えるのは混乱を招くので、注意が必要である。実際に『西日本放送』は福岡県の『テレビ西日本』と被っている。その他にも兵庫県の『サンテレビ』と高知県の『高知さんさんテレビ』の例もある。
- さらに言えば、『西日本放送』『テレビ西日本』の他にも『北日本放送』『東日本放送』『南日本放送』さらには『東北放送』『信越放送』『日本海テレビ』『中国放送』『四国放送』『南海放送』『九州朝日放送』と言った、『日本テレビ』や『関西テレビ』『中部日本放送』のように複数の都道府県を放送エリアとする広域局のような局名の地方局もあるが、それは名称に困り苦肉の策として名付けたり、広域局を目指して開局したものの、近隣の県と郵政省(現在の総務省)の圧力によって、強引に県域局にさせられた名残である。また、『TVQ九州放送』は"テレビ九州"としたかったが、一地方ケーブルテレビ局の圧力に屈してTVQ(後に『テレQ』)とせざるを得なかったという。『KBS京都』に至っては、元は近畿放送をさしていたのを、無理やり京都放送に変更させられたという苦すぎるトラウマがある。逆に『TBS』や『名古屋テレビ放送』などのように、もともとは県域放送を目指したつもりが大人の事情で広域局にされた例もある。
地方局の宿命ともいえる番組[編集]
- テレビショッピング - 金の無い地方局の貴重な収入源である
- 2時間もののサスペンスドラマの再放送
- 時代劇 - 平日午前のテレビをつけている爺さん婆さんと学校から帰ってきたばかりの小学校低学年が対象です。地方では、いまだに東野英治郎が笑っている
- 健康情報番組(大抵番組最後にテレビショッピングとなる)
- 他系列の著作権管理が切れたドラマ-あかんたれとか
- 刑事ドラマ - 特に相棒とかはぐれ刑事純情派とかはみだし刑事情熱系とか。最近は臨場とか遺留捜査とかおみやさんとかもやたら再放送する。
- 韓国ドラマ - 平日午前、一部地方では深夜によく流される。この種のドラマが多く放送される理由はそもそも購入費用が安いからで、これは地方局にとっては特に重要な条件でもある。決してフジテレビの問題と同等に論じてはいけない。
- テレビ東京からの番組販売 - 開運!なんでも鑑定団とか田舎に泊まろうとかペット大集合!ポチたまのような人気番組は系列キー局の番組よりも優先される。というかテレビ東京の経営はアニメの他、系列局の無い地方への番販で成り立っているといっても過言ではない。なので系列局を地方に作ることには消極的。つうかもうこれ以上系列局は作らないらしい
- 自社制作のローカル情報番組 - 地元のマイナーなお店ばかり紹介したり、マイナーな名所のリポートを行ったりする、実質地方の大型マイナーCMである。過去はラジオ局が主であったが、最近では地方のテレビ局でも増えている。
※よく流される番組とは趣旨が異なるが、芸能リポーターの梨元勝(故人)が東京の局で言えない芸能裏話を地方局の生放送でよく暴露していた。ネットが発達しているにもかかわらず。
よく流されるわけではないが、たまに見かける番組[編集]
- 創価学会の”ハコモノ”番組-金の無い地方局の貴重な収入源である
- 「人生の切符」などの青汁劇場。タイトルを変えて放送されているが、キャッチフレーズは全て「そんな時に出会ったのが青汁」である
絶対流さない番組[編集]
- アニメ(特にテレビ東京系の子供向けでないものや深夜アニメ、地域によっては4大系列の人気アニメも)-一部の人間しか見ないんだからテレビショッピングや特撮の再放送(瀬戸内海放送がその一例)やバラエティ・ドラマ(本放送・再放送を問わず)・ローカル情報番組をやったほうが収入になるし。ただし、奇特なスポンサー(例:ひょうたん書店)が付いた場合や地元にアニメ会社(例:ピーエーワークス)がある場合にはその限りではない。もっとも、面白いかどうかは運である。また、ごく一部地域では『キテレツ大百科』が頻繁に再放送されていた。
- saku saku(こちらも一時期と比べて局の中の人が好評でないようで、テレビショッピングやったほうが収入になるのでほとんど放送しない。ただ、一部の局は流してくれる。)
よく流されるCM[編集]
- 電力会社のCM
- 朝鮮玉入れのCM - 特にスポットCMで大量にかつ昼夜問わず流される
- 葬儀屋のCM
- 各種通販のCM(特に健康食品が多い)
- タクシー会社のCM
- リフォーム会社のCM
- 消費者金融のCM - 最近はバッシングがあって法改正も進み一時期に比べればCMの量は減少傾向
- 法律事務所のCM - 特に「債務整理系」の法律事務所のCMが多い。「借金を帳消しにします」などという文言で退潮気味の消費者金融CMに代わって流されるようになった(特に地方局のラジオ番組)。一方で「弁護士報酬などが曖昧」などトラブルも目立ってきており、そのうち消費者金融CMと同じように規制がかかるのは時間の問題だろう。
- いっきゅ~さん、いっきゅ~さん♪ - 地方の仏壇店で多用される。
- そうか~がっ・かい~♪
- 聖教新聞
- 迎春CM - 正月3が日になると、上得意様から普段滅多にCMを流さない企業まで、実に多種多様な超ローカル企業が新年挨拶を兼ねたCMを流す。しかもそれらは放送局が用意したテンプレにテロップとナレーションのみを入れた安上がりなものである。地元の商業施設やスーパーの初売り情報は重宝される。
- 初詣CM - こちらは年末の初詣近くになると流れる、地元の神社へ参拝するように要求する内容のCMである。
- 大株主のCM - 局によっては上のような定番の出稿ですら期待薄な場合があり、その時は株主に泣きつく事になる。(例、自治体、銀行、新聞社、その他有力企業)
- 放送局の関連企業、局自身の副業のCM - 住宅展示場、カルチャースクール、油絵や石版画、自分史ビデオ、マリンスポーツのライセンスなど
- 公共広告機構(AC)、JARO、BPOのCM - 地元に大企業が少ないときの埋め合わせに最適である。流すCMがいよいよ無くなった時の最終手段でもあり、キー局でも時として頻繁に流れる事がある(急に番組が打ち切りになった場合やスポンサーが全て降りてしまった場合など)
- 番組宣伝 - 場合によっては1つの番組で同じ内容の番宣を繰り返し流すため、大体あらすじが分かるので見る必要がなくなることも多い。
- 局自体のイメージCM - 宣伝する番組すら無いか、少ない場合の末期症状。最早CMと言えるかどうかも疑問だが、一応この項に記す。[1]
- パワープレイ、音楽 - もはや完全にCMでは無いのだが、一部の倒産ギリギリの地方FM局ではスポンサーもつかず宣伝する番組もろくにないためCM枠で音楽を流す事がある。またオールナイトニッポンなど、在京ラジオ局が放送する全国ネット番組ではCM中に裏送りで音楽を延々流している。スポンサーのつかない地方局ではCMタイムに入った途端ひたすら音楽が流れ続ける事になる(しかも曲紹介も無ければいきなり曲途中から始まり中途半端な所で終わる)。
問題点[編集]
- 地方局の多い地域と少ない地域の間に当然情報格差が起こる。その上に、地方局は
ネットワークセールス枠キー局のネット垂れ流しの枠以外は本来ネットされる番組(例:ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!)でなく、ローカル番組やクソつまらないお笑い番組に差し替えるために不評である。それに地方局が少ないと、番組宣伝で「一部地域を除く」のテロップが流れた場合には、時差ネットどころが放送自体がされない事が多い。この事が東京一極集中を招いて若者の人口流出の一つの要因となっているのには、不幸にも地方局は全く気づいていない。 - 同じ道県の地方局は非常に仲が悪い。その為に、キー局のネット垂れ流しの枠以外は、わざわざ同時間帯に同ジャンルの番組を流したり、酷いのになると同時間帯に同じ司会者の番組を放送することがある。この事が東京との情報格差をさらに広げている上に、地方局に対する不満を倍増させているのには、不幸にも地方局は全く気づいていない。
- 地方局は地方紙(地方新聞社)の利益の為にできた物である(例:北海道文化放送-北海道新聞、山形放送-山形新聞社、テレビ金沢-北國新聞社など)。その為に、地方紙は新聞のラテ欄において、隣県の地方局を地元地方局の半分のスペースで掲載したり、活字をわざと小さく掲載したりして隣県の地方局を見ないように妨害している。[2]その事がきっかけでラテ欄目当ての購読者を全国紙やテレビ雑誌に奪われているのには、不幸にも地方紙は全く気づいていない。
- 地方局によっては親会社である地方紙が、地方紙とベッタリの地元経済界と県庁と県選挙区内選出の自民党議員の御用マスコミとなっていることがあり、もし日本国内において北朝鮮やナチスドイツのように翼賛マスコミになったらどんな社会になるのかを県域を使って壮大な実験をしているのである
- また朝日系以外の地方局は自民党の議員先生が開局のために尽力されたので、自民党批判は基本的に出来ないことになっているのが暗黙のルール。
- もっとも、中央は中央で番組制作にいろいろな制約がありすぎるため、みのもんたアレルギーやジャニーズ嫌悪症、学会、といった要素の少ない番組を求めるなら、どうしても地方局になってしまうけどね。
脚注[編集]
- ^ 一方で、局自身でイメージCMを作れるという事はまだある程度番組制作力に余力があると考える事も出来る。地方局の中には逆にこういったCMが皆無な所もあり、その場合は15秒程度の映像一つ作る制作力もセンスも無い、別の意味で末期状態である可能性もある。
- ^ 東京の自称大手新聞も、テレビ面では親会社の列だけ背景を黄色く目立たせ、ラジオ欄でもやはり関連会社の列だけ太字にして他局の列に目が向くのを妨げており、東京のキー局も自称大手新聞を支えるという意味では地方局の性格を併せ持っているといえる。
- ^ 朝日放送はかつて自前で東京・芝にビル持っていたし(現在は移転)、読売テレビは多摩にスタジオを持っていたし、関西テレビは世田谷区砧に系列のTMCレモンスタジオを所有している。
- ^ あと名古屋の局では、昼ドラで有名な東海テレビも、製作は東京支社。深夜番組では中京テレビが制作していた「サルヂエ」も、ゴールデンに昇格したときは日テレとの共同制作に変わった。なお深夜時代からプレゼントのあて先は内幸町の中京テレビ東京支社。
関連項目[編集]
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この番組「地方局」はまだパイロット版です。 実用化に向けて更なる検討を必要としています。 (Portal:スタブ) |