客を装った男

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ある日ふと、店員が店内を見渡すと、なにか奇妙なものがまぎれこんでいることがある。それが、客を装った男(きゃくをよそおったおとこ)だ。このとき注意して欲しいのは、客を装うのは男性ではなく、男である、ということだ。女、女性ではなく、男である、ということだ。客を装った男は普通の、一人前のお客さんになりたかった。だが、店員は、必ずなんらかの違いを、男と普通のお客さんとの間に見つけ、分けてしまうのだ。そして時には……。

男は、そのナイーブさゆえ、扱いが非常に難しい。注意して欲しい。もし対応を誤り、過度に刺激してしまうと、それ相応のしっぺ返し、反撃を食らうことになる。黙っていれば、何もしなければ、いい男なのに。

なお、フルフェイスのヘルメットをかぶった、似た男もいるが、そもそもその場合の男には客を装う気が全くなく、よって、客を装った男足り得ない、残念。

形態[編集]

いつも体が弱くはやり病にやられがちで、大きなマスクをしているのが目に付く。ストレスに弱く、頭には禿隠しのニット帽を、弱視を補うために分厚い眼鏡をかけているのも、観察できる。概して体の露出は少なく、ジャンパーコートで着膨れして身を固めていることが多い。これは、男の精神的、また肉体的の傷つきやすさを表している。つまり、身を守るための鎧なのだ。また、傷つきやすい人間は、よく他人を傷つける。その現われとして、懐には、拳銃や刃物を忍ばせていることが多い。

体格が大変良い場合もあるが、努力して体の弱さを克服した固体なのだろう、「よくやったね、おめでとう」と褒めると、照れ隠しに「ハア?」といってくれるはずだ。

生態[編集]

客を装った男には独特の違和感があり、店内に侵入してきたときから、その挙動不審ぶり、着膨れぶりから、なんとなく普通のお客さんと判別がつく。挙動不審の一例として、キョロキョロとあたりを見渡す独特の仕草があって、なかなかかわいらしい。

コンビニなど小さな店舗では、一直線にレジへ近寄ってくることもある。また、雑誌コーナーとか、トイレとかに行き、普通のお客さんがいなくなったすきを見計らってからレジへ近寄ることもある。男には、対人恐怖症の気があり、他のお客さんがいるところでは、店員とまともに会話もできない、そんなトゥーシャイシャイボーイなのだ。あるいは、店員のことが好きなのかもしれない。

人間とのかかわり[編集]

レジに近づくと、男は、マスクの奥から短く「かね、かね」といってくる。これは、募金をしたい、という意思表示であって、傷つけないように、さっと募金箱を渡そう。さらに「かね、かね」といってきたときには、「両替ですか? 当店ではお客様の両替は、お断り申し上げております、ご了承下さい」といって、男が無事立ち去るのをまとう。

とにかく、男から見たら、意中の店員とはなしできればいいわけだから、なおも未練がましく立っているときがある。そんなときは、裏技として、こちらから店員の方から告白するのもいいかもしれない、「好きです」、と。男は、キモメンかもしれないし、イケメンかもしれない。だが、店員には、接客人として、自己犠牲、奉仕の精神が必要だ。ときには、そんな、その場その場の、臨機応変な行動も必要になってくるだろう。それ位、客を装った男の扱いはむづかしいことを、覚えておいて欲しい。

客を装った男への対応の心得として、「慌てず、騒がず、ゆっくりと」がある、ぜひともこれを覚えておいて欲しい。さもなければ……。