新古書店

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新古書店(しんこしょてん New Old Bookstore)とは、新しい化粧を凝らした売り文句で古い集団に寄生する背徳ビジネスである。

概要[編集]

新古書店は、1990年代以降急速に台頭したニュータイプ古書店である。どこがニュータイプなのかといえば、これまでの古書店が「俺らの商売、著作権侵害だよなあ」という罪悪感を覚えるような暗い応対、店構えを行っていたのに対して、罪悪を一切感じさせない、いや全く感じていない笑顔で応対し、一部書籍を除いて格安価格で提供することにある。

主な書店はブックオフ古本市場フォー・ユーである。最初のブックオフという言葉だけで新古書店全体を指すこともある。「古本市場」とはかつて、従来型古書店が集まる品評会のことだったが、今ではこの店舗名のことを指すことが多い。フォー・ユー(For You)とは、貴方のためという意味だが、その貴方とは「従来型古書店のことなど場所すら知らない貴方」という意味だ。

主要対象とする客層は「ブックオフ=新古書店」という用法に何の疑問も抱かない愚民たちである。今や愚民の辞書に、「古書店」という文字はない。[1]そして、経営層は「かつて出版会で堂々とレビューしようとしたが、全くうまくいかなかった三流文士」である。彼らは「本は文化」といって再販売価格維持制度を厳守させる既存出版社と、その利権の言いなりになるしかない新刊書店に対して、「本、お売り下さい」と挑発し、安売りしたくても安売りできない従来型の古・新書店に対して、自らがニュータイプの新・古書店であることをアピールする。

商法[編集]

新古書店では、今日も明るい声で以下に挙げるようなニュースピーク商法が繰り広げられている[2]

仕入れ[編集]

常連客「この店、良心的だね」

古書の仕入れは客からの買い取りで行う。建前上は「定価という名の他人が決めた価格の1割」で買い取ることになっているが、それはごく少数の書籍にしか適用されない嘘である。なので、「定価1000円以上なのに100円の本を買って、別の店で売り飛ばして差益を稼ぐ」というのは、幻想に過ぎない。つまり、「買っても売るな」が資本主義的に正しい付き合い方である。

新古書店は「キレイな高品質の本を買い取ります」と謳う。ここでいう高品質の古書とは、「1ページも読んでないに違いない」ほどキレイな本である。つまり、「1ページでも読んだら、ページが汚れて価値が下がってしまいますよ」と読者に対して暗に促しているのである。

彼らは従来の古書店とは異なり、学校教科書の買い取りも行っている。基本的な買取マニュアルによれば、その教科書に赤ライン等が引かれていた場合は、「価値なし」として「買い取るな」とレッドラインを引く。つまり、新古書店によれば、最も模範的な教科書の利用法とは、「授業中はずっと寝て、教科書を1ページも開かない」ことである。ああ、何と新たな査定基準、何とも古き利用法。

店内[編集]

店内では、本棚の縦面などあらゆる場所に、いかに自分たちが文化振興に貢献しているかを示す宣伝文句がズラズラと並べられている。これはつまり、「俺たちは文化の破壊者です」ということを示す何とも分かりやすいニュースピークである。「静かに選ばせてくれよ」という声に対して、「いえいえ、今買わないと買われてしまいますよ」と脅してくる。え、欲しかった本は2か月後もそこにありましたが何か?

実際に新古書店が掲げた売り文句の中で最も分かりやすいのは、ある新刊・古書兼任書店が掲げた「本は文化。だから捨てましょう」という売り文句だ。新古書店という貧困ビジネスの本質をこれ以上なく確信犯的に衝いていたが、「俺たちに本を売ることは、本を捨てることなんだぞ」とあまりに正直に告白し過ぎたため、後に本部から「正直になるな」とクレームがつき、その店は「本は文化。だから捨てない」とニュースピーク戦術に切り替えた。すると、その時を境にその店は「本を捨てる」新古書店の部分が肥大していき、やがて閉店した。ひょっとしたら、この店は新古書を新刊書として売り出すほど赤字だったのかもしれない。

そんな店内には「リサイクル」を讃える環境系の広告もみられる。その環境への貢献ぶりは、「自然光無用の明るい照明」、「日光を遮るよう窓に貼られた高価買取ポスター」、「汚い本をリサイクルしにきた客に浮かべる店員の顔」をみれば、一目瞭然である。

書き手発掘[編集]

新古書店がいかに「新しさ」を掲げようと、所詮は新刊書店におんぶにだっこする寄生虫ビジネスにすぎない。自力で書物を発行しておらず、そこからの収入はすべて自分たちの懐に入るのだ。出版社の傀儡機関たる新刊書店はその辺をぐりぐりとついてくる。

対策として、新古書店サイドも「自分たちも将来は金づるとしてのマンガ部門を中心に、自力で新古書店用のマンガインフラを整備することを前向きに検討します」と反論している。なぜ活字本でないのかについては、「どうせ売れない」なのだそうだ。業界誕生の1990年代からそう言い続けているが、大きな成果は上がっていない。つまり、役人以上に役人的な「検討」を今も続けていると考えられる。ただ、表面上は新しい業態であるだけに、この行為が守旧的と非難されたことはない。

これに対し、新刊書店の中で明るい照明の中で店員たちは、「そんな、もう漫画賞を出しているじゃありませんか?」と反論する。いや、それは新古書店でなく君たちが1銭も著作権収入を払う気のないOld出版社がつくった賞だろう。このやり取りの最中に「○○賞受賞作品を高価買取中」とアナウンスが入ったら、そのアナウンスは立派なニュースピークだ。

宿敵[編集]

新古書店が現れた当初、すっかり出版社の傀儡と化していた新刊書店は、「ブックオフが近くにできたせいで、エクストリーム・万引きが増えた」とクレームをつけた。これは要するに「新古書店も万引きの一部」というクレームだった訳だが、新古書店は所詮寄生虫だけにクレームを無視し切れず、やむを得ず買い取りへの年齢認証を行うことになった。これには「何だよ、古書店だって年齢認証抜きで出典不明の本を売れるのに、どうして新古書店だけを悪者にするんだよ」という批判もあったが、新刊書店員と新古書店員の給料明細をみたら、その不満は止まったという。

新古書店は「売れるものは高く、売れぬものは安く売れ」という新古典派自由競争資本主義の原理を実践する商業である。これまでは新古典派の理論書も再販制という社会主義制度で売られていたために、読者は資本主義制度の新たな原理を実感することができなかった。それは書店も同じだったが、再販制を破ったが故に、新古書店は新古典派の説く激しい自由競争にさらされることになった。

ただし、「高く売り、安く買う」という自由競争のテーゼを新古書店は顧客に対して実践する。「高く売りつける」ことを知らない愚昧な客野郎から漫画を二束三文ボッシュートし(安く買い)、100円棚に同タイトルのきれいな商品(決して作品でない)があるにも関わらず、定価の4割以上の高値がついたより汚い商品を購入させるように、「安く買う」を知らぬ無知な奴らを誘導するのが、新古書店の基本ビジネスモデルだ。つまり、顧客とは決して自由競争しないのである。

しかし、新古書店の数が増えると、その新しくも古い商法の作法は暴露されていった。なので、新古書店はライバル店に負けないよう漫画だけでなくゲームやCDの取り扱いも行うようになった。そして、ゲームやCDの方が100円なんかにしなくても漫画より売れることに気付いた。つまり、3000円のゲームが1本売れても、100円の攻略本は30冊売れ残ることに勘付いたのだ、それを悟ると、新古書店はそちらの方の販売をより有り難がるようになった。故に、新古書店と分類されているくせに本を扱っていない店は今では珍しくない。本を売らない新古書店とは見事なニュースピークである。

なお、図書館は新古書店にとって商売を妨げる強敵ではない。なぜなら、漫画を原則的に置いてないし、置いてあったとしてもすぐ貸し出されるためだ。何より、図書館が購入する書籍は、新古書店に入る商品とは全く異なる品目なので、始めから気にする気などない。なので、買取担当者は聞いたこともないような難しい人文書が入ってくると、「これって即100円販売するしかない本しか存在しない図書館から盗まれた本なのだろうな」と思うよう教育されている。これで、「新古書店は文化を大事にします」と真顔で言うのだから、ニュースピークだ。

新のつかない古書店は、新古書店に向かって「本を愛していない」と糾弾する。しかし、この手の批判は「読者」にとってはどうでもよいことだった。読者にとって何よりの関心は、本が1円でも安いかどうかであって、書店主が本を愛しているかどうかはどうでもよい問題だった。ここで買っても本の著者には1銭も入らないという点は同じということを読者はよく熟知していたので、その愛情を安値へと転換できない古書店は、新古書店の敵とはなれなかった。

今後[編集]

現在、新古書店は「本はまだ読まれたがっている」と訴えている。もちろん、ここでいう本とは、売れ筋だけの漫画やラノベのことだ。売り手は新刊書店がかけているカバーの御蔭で、安売りを享受できているようにみえる。

しかし、新刊書店がそのカバーを外した時、大きな転機が訪れるといわれている。新古書店の経営者たちにとってはその日はXデーと呼ばれている。少なくても、古いだけの今の品揃えでは、新刊書店に対抗できないだろうからだ。

しかし、その対策は既に完成している。その日をもって、「売れない本は存在しない」との商売文句を唱え、新古書店という商売形態をやめるのだ。「本は文化」なんて嘘でしたという言葉と共に。つまり、新古書店(New Old Bookstore)とは新刊書店(New Book Store)の「漫画カバー」に寄生する商法に過ぎないのだ。

脚注[編集]

  1. ^ 金魚屋古書店ビブリア古書堂?ああそれなら2冊100円で売ってますよ」新古書店店員
  2. ^ 新古書店の採用面接では「嘘も百万回言えば××」と問われる。ここで真実を答えると、確実に落とされる

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