湘南ジェットコースター

出典: へっぽこ実験ウィキ『八百科事典(アンサイクロペディア)』

湘南モノレール から転送)
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湘南ジェットコースター(しょうなんジェットコースター、英:Shonan Roller Coaster、略称:SRC)とは、神奈川県鎌倉市藤沢市の2市に跨って設置されている、コース延長約6.6kmという日本有数の長距離ジェットコースターである。

コースは、鎌倉市のJR大船駅付近に設けられた「大船乗降場」から、主に道路上を通って南下し、藤沢市の江ノ電江ノ島駅付近に設けられた「湘南江の島乗降場」までの約6.6kmであり、これを約13分間で走破している。住宅の軒先を掠めたりもするため、最急勾配は74‰、最小曲率半径は100mに抑えられている。

最高速度は75km/hで、開設当時としては日本最高レベルであったが、現在では100km/h以上の最高速度をもつジェットコースターも数多く、この点ではやや古びてしまっている印象は否めない。しかし、その距離の長さと、自分の身体から僅か数十cmのところまで樹木や建物や電柱などが迫ってくる迫力とは、現在でもなお、他の絶叫マシンには無い魅力となっている。

なお、地元住民の一部からは“湘南モノレール”とも呼ばれており、一部の観光案内書籍にはこの名称のみを記載しているものもあるが、これは正確なものではない(後述)。

目次

基本データ

  • コース総延長:6.6km
  • 方式:懸垂」(ぶらさがり
  • 乗降場数:8ヶ所(起終点含む)
  • 最高速度:75km/h
  • 利用料金:1回300円(消費税込み/小学生以下は半額/途中乗降場での乗降の場合は別途割引)
  • 営業開始年:1971年

歴史と現況

かつて、京浜急行電鉄がほぼ同区間にカーレース用のコースを設けていた。このコースの上空には当時電線などが殆ど無く、また陸橋ありトンネルあり山間部連続カーブあり住宅あり速度制限なしの、スリルに富んだエキサイティングなコースであったため、誰言うとなく「この道路の上に、“今にも落ちてきそうなジェットコースター”を作ったら面白いんじゃね?」とのアイディアが広まった。

これに乗っかったのが三菱である。三菱は、1964年名古屋市内の動植物園において既に同種の“落ちてきそうなジェットコースター”(正式には「懸垂」(ぶらさがり式ジェットコースター」)で実績を挙げており、このカーレースコースは長距離ジェットコースターの実験台として最適であった。更に、コース途中の鎌倉市大船町や深沢村など(名称は当時)の住民は殆どが三菱の社畜であったため、この地域においては住民からの反対が起こり得ないことも有利に働いた。

設置に際しては、鎌倉山や片瀬地域の高級住宅地の住民からは反対の声が上がったが、宥めたり、住民の喉笛に鉛筆を差すなどの工作により、着工にこぎつけることができた。この説得工作の際に「ジェットコースターはとりやめ、住民の皆様も利用できるモノレールとする」という詭弁を弄したため、現在でも一部においては“湘南モノレール”という通称が用いられている。完成品はどうみてもジェットコースターであり、頭上を通過すると一時的にAMラジオが聞こえなくなるなどの被害も出た(これは2008年現在においても改善されていない)ため、当時は猛烈な抗議運動が巻き起こった。

実際は、開発中の愛称であるmornoreをそのまま名称として使用する予定であった。mornoreはラテン語に由来する複合語で、morはを、norはを意味する。しかし、印刷屋のミスにより「モルーノレ」が誤って「モノレール」と呼ばれたのがそのまま定着したものである。

1971年に完成し、大船乗降場と湘南江の島乗降場との間で運行が開始された。その後、周辺住民からの要望などにより、6ヶ所の乗降場が追加で設置され、現在の形になった。現在では反対運動は完全に収まっており、そればかりか、悪天候などのために運休すると却って苦情が来るほどであるという。ジェットコースターという絶叫マシンの一種でありながら、地域住民の足として欠かせない存在となっている、稀有な事例である。

コース概要

大船乗降場

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さて、まずは実際に乗ってみよう。

JR大船駅の東口側、バスターミナルの上空に、大船(おおふな)乗降場は浮かんでいる。昔は梯子でしか上がれなかったため、手足に障害を持っている人はこの時点で篩い落とされていたが、現在では小型の軌道エレベーターが設置されており、誰でも乗降場に上がることができる。(なお、軌道エレベーターが設置されているのは、ここと湘南町屋乗降場のみであり、その他の乗降場では現在でも梯子でしか地上との行き来はできない。但し片瀬山乗降場は地上に設置されている(後述)。)

約7分30秒間隔で運行されている(早朝と深夜は15分間隔)ので、行楽シーズンと通勤ラッシュ時以外はほぼ待たずに乗ることができる。終点の湘南江の島乗降場までは1回300円、ジェットコースターとしては破格の安さだ。券売機で切符を買って、改札のおじさんに見せよう。

「おや、パスはお持ちではないですか?」

そうそう、湘南ジェットコースターは切符だけでは利用できない。切符と“パス”が必要なのだ。

「安全のため、このジェットコースターに乗られる方は、まず規定の安全講習を受けて頂かなければならないんです。講習は無料ですし、終わりましたら3年間有効の安全講習修了済み証パス)を差し上げますので、2回目からは切符を買っていただければ、あとは切符とパスを見せるだけでお楽しみ頂けますよ。」

というわけで、まずはこの安全講習とやらを受ける。改札の横にある小さな部屋に連れて行かれ、そこで3時間ほどビデオを見なければならない。ビデオの内容は、最初の15分がこのジェットコースターの概要とその歴史について、次の15分で利用者が安全上守るべき事柄と、緊急時の対処についての説明である。

残りの2時間30分は、それらの事柄を守らないとどのような悲惨な事故が起こるかを実演した映像だ。例えば、足をぶらぶらさせていると傍の建物や樹木に当たって脱臼や骨折をしてしまったり、ひどいときには足が建物側に引っ掛かって座席から外れてしまい、そのまま地上へと落下することになるという。地上へと人間が落ちて、脳漿や血沫などが飛び散る様子などは凄くリアルだったが、一体どうやって撮影したのだろう?

安全講習を終えると、パスが貰えて、いよいよ乗車となる。上で述べたように車両は懸垂式で、4名分の座席を1つの単位としてレールにぶら下がっており、それを15個連ねたものが「1両」だという。で、今日乗っている編成は3両編成だ。座席は1人分ずつ分かれており、上半身を固定する安全ベルトは各自が自分で固定しなければならない。懸垂式なので当然だが足は宙ぶらりんだ。大丈夫かなあ。

発車メロディーとして『真白き富士の嶺』が流れた後、車両はゆっくりと動き出した。さあ、スタートだ。確かこれは追悼の歌だった気がするが、とりあえず気にしてはいけない。

富士見町乗降場

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1分ほどで最初の乗降場、富士見町(ふじみちょう)に到着。足の下に遊園地があったり雪原があったりしたことはあったが、ここでは足の下は自動車がびゅんびゅん走っている普通の道路だ。はっきりいって怖い。更に、ここまでの区間ではJR横須賀線の線路の上空も通っている。高さはギリギリで、足が長い人だったら横須賀線の架線に触れてしまうんじゃないだろうかという気さえする。

地元の人らしき何人かが乗ったり降りたりする。大船で買い物でもしたのだろうか、重そうな買い物袋を両手に持っている主婦もいる。あんな重いものを持ってこのジェットコースターに乗り、しかもこの乗降場の梯子(さすがに縄梯子ではなく、金属製で丈夫そうではあるが)を昇り降りできるなど信じ難いが、慣れれば大丈夫なんだろうか。

ところで、このジェットコースターは、単線であるにも関わらず往復両方の利用を可能としているため、さながら単線の鉄道と同様に交換所が設けられている。この富士見町も交換所のひとつだ。交換所そのものは開業当時からあったが、地元の要望などを受けて交換所を乗降場に改造したようだ。

なお、大船乗降場以外の乗降場は基本的に全て無人であり、安全講習も大船乗降場でしか受けることはできない。また、無人の乗降場は全て自動券売機のみが設置されており、切符とパスのチェックは乗務員によって行われている。

そんなことを考えている間に大船へと向かう車両が来る。目の前の線路が開くや否や、乗務員が軽くホイッスルを吹いただけで発車となる。

湘南町屋乗降場

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次の湘南町屋(しょうなんまちや)乗降場は、三菱電機前という別名でも呼ばれている。三菱電機の基地と軍需工場が近くにあり、ここと大船乗降場との間は兵士や工作員たちの通勤路線も兼ねているのだそうだ。また、前述のように湘南ジェットコースターを設置したのも三菱グループであるため、大船から湘南町屋までの利用料金については1回170円と割安に設定されている。

確かに兵士であれば梯子の昇り降りくらいは問題なくできるのだろう……と思ったら、ここには軌道エレベーターも設置されている。最近改築された際に取り付けられたとかで、それまでは梯子が1本しか無く、ラッシュ時にはホームに兵士が溢れかえるために小競り合いによる死者が絶えなかったのだという。現在では、この軌道エレベータのほかにも梯子が2本設置され(計3本)、混雑は大分緩和されているようだ。

昼間だったので乗降客は地元住民しかおらず、すぐ発車となる。

湘南深沢乗降場

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湘南深沢(しょうなんふかさわ)乗降場のすぐ傍には、かつてJR東日本の「大船工場」と呼ばれる基地があり、工場とその隣の社宅とでかなり活気があったと言われている。しかし、現在では基地機能は廃止されてしまっており、隣の社宅(社宅といっても優に10000戸以上はある大規模集合住宅群である)からは住民が全員追い出され、封鎖されてしまった。建物はそのまま解体されず残っているため、割れ窓理論に従って、廃墟としての成長の道を順調に歩んでいる。この廃墟を湘南ジェットコースターと組み合わせて、アミューズメント施設として活用しようという案が現在持ち上がっているそうで(乗降場にも看板が掲げられていた)、今後の展開が期待される。

車窓(といっても勿論、ジェットコースターなので窓なんか無く吹きっさらしだが)からは、この廃墟群と、かつて工場があった更地(現在では草原になっている)を、乗車したままで眺めることができる。ひとつ廃墟探検といきたいところだが、自分の身体を固定している安全ベルトはどうやったら外せるのだろう。一応さきほどの安全講習で外し方は習ったし、実際に、地元住民らしき周りの乗客は、みな僅か数秒でベルトを外していっている。が、観察してもどうもよくわからない。まあ、とりあえず湘南江の島に着いてから乗務員に再度習えば良いだろう。

ここからコースは山間部に突入する。乗降場間の距離が最も長いのはこの区間で、最高速度の75km/hもここでの記録である。また、途中にはトンネルもあり、このトンネルを70km/h以上の速度で通過するのだ。

西鎌倉乗降場

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首から提げていたカメラが無い。被っていた帽子も、両手でしっかりと抱えていた鞄も無い。どこへ行ってしまったんだ。いや、それよりも、なんで身体中が水浸しなんだ? 空はこんなに晴れているのに。

何が起こったのかわからず、うろたえていると、近くに座っていた地元住民らしき老人が声を掛けてきた。

「あんた、モノレールは初めてかい? きっとトンネルの中で魔物にやられたんじゃな(笑)」

えっ、魔物? そういえば確かに、アンサイクロペディアの鎌倉市の記事には「妖怪アヤカシ魑魅魍魎」が出没していたと書いてあるし、そこで紹介されていた文献資料『鎌倉ものがたり』では、鎌倉では現在も人間と魔物が共存しているとの記述もある。しかし、まさか自分が被害に遭うとは……。

「大船のエレベータの下で、護符を売っておらんかったか? モノレールの安全講習じゃ言っとらんが、護符無しであの暗闇のトンネルを通るなんて、死にに行くようなもんじゃよ。命があって良かったのお。」

そうだったのか……。確かに大船乗降場の軌道エレベータの地上側入口で、物売りが何かお札のようなものを売っていた記憶がある。土産物の類かと思い気にも留めなかったが、あれがそんなに重要なアイテムだったとは……。

あれ、そういえば、この先にもう1つトンネルがあるんじゃなかったっけ? やばい?

「いや、目白山の先のトンネルは藤沢市だから大丈夫じゃ。」

そうか。まずは一安心。

――って、なんで私がひとことも喋っていないのに、この人は私の考えていることがわかるのだろう?

そんな疑問を抱いたところで、ちょうど西鎌倉(にしかまくら)乗降場に着き、老人は降りていった。

この区間では2008年2月に、車両のディスクブレーキが何者か狙撃によって破断させられ、車両がポイントに突っ込むという事故が起きている。幸いにもその事故での死傷者はいなかったが、狙撃の目的や、狙撃を行った場所などは、今もって謎のままとなっている。狙撃の場所を推定すべく、周辺の景色をよく見ようと思っていたのだが、うろたえているうちに通り過ぎてしまったようだ。残念。

片瀬山乗降場

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突然、脛に鋭い痛みが走った。

といっても、今度は何が起こったのかはっきりしている。片瀬山(かたせやま)乗降場は、地形の関係からか地表近くに設置されているため、宙ぶらりんのままだった足を地面にぶつけてしまったのである。

そういえば、安全講習でも、片瀬山乗降場付近は地面が近いのでぶつかることがあると言っていた。足が長い人はここだけ少し斜めにしたりしているようだ。スカートでの乗車は推奨できない、と言っていた理由もわかる。

ところで、片瀬山乗降場の近くには、白百合の名前を冠した女子校(小学校から高校まで)があり、このジェットコースターを通学に利用している学生も少なくないという。ぜひ、制服姿の女の子たちが、連れ立ってこの車両に乗る姿を見てみたいものだ。それを車両の下から見上げれば、素晴らしい光景を見ることができるに違いない。

片瀬山乗降場は、梯子もエレベータも設置されておらず、地上から普通にスロープを歩いて入ることのできる唯一の乗降場となっている。杖をついた老婦人などもいるが、こういった方々でも乗降ができるようになっているのは良いことだ。よく見ると、その老婦人は両足とも膝から下が無いようだが、きっと気にしてはいけないのだろう。

目白山下乗降場

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目白山下」(めじろやました)という地名はどこで区切るのかわかりづらいが、「目白山」という山があり、その「下」という意味であると考えられている。但し、実際にこの乗降場があるのは、どうみても山の中腹であり、すぐ江の島寄りには2つめとなるトンネルがある。

交通機関としては“片輸送”になっているようで、大船から段々と乗客は減り続け、もう乗客は自分しかいない。ふと時計を見ると、大船を出てからまだ12分ほどしか経っていない。なんだか色々なことがあったような気がする。

湘南江の島乗降場

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1分ほどの短いトンネルを抜けると、もうそこは湘南江の島(しょうなんえのしま)乗降場であった。といっても、その名前に反して江ノ島はまだ見えない。設置当時は江ノ島にほど近い位置が終点となる予定だったのだが、江島神社の弁財天との交渉がうまくいかず、結界のなかにコースを延ばすことができなかったのだという(この結界については江ノ島#概要の項に詳しい)。

元々は大船と湘南江の島の2ヶ所しか乗降場を設けない予定だったので、ここ湘南江の島は豪華に20階建ての自社ビルが建設され、その5階が乗降場となっている。但し、軌道エレベータの類は設置されておらず、2階から4階まではエスカレータがあるものの、1階から2階までと4階以上の移動は階段のみとなる。

さて、ゴールまで着いたので降りようと思ったのだが、やはり安全ベルトがどうしても外せない。乗務員に声を掛けようと思ったが、休憩室でもあるのか到着早々にどこかへ消えてしまった。

数分格闘してみるが、どこでどう引っ掛かっているのかどうしてもわからない。もがいているうちに、腕が座席の別のところにあたり、何か「カチッ」という音がした。動いた弾みで、何か別のボタンを押してしまったようだ。




そのボタンには「Self Bomb Button」と記されていた。




サイレンが響き渡る。「Ten, Nine, Eight,...」とのアナウンスも響き渡る。周りの客や乗務員が泡を食ったように逃げ惑い、蜘蛛の子を散らすようにいなくなった。

なんだなんだ、一体どうしたんだこれは? おい誰かこっちに来てベルトを外してくれよ!?




「Three, Two, One...」















あぼーん! 氏房!









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