科学
科学(かがく)とは、本来体内で魔力を生成できない人々のために魔術師が開発した、特定の触媒を用いて魔法を使えるようにするための儀式である。「充分に発達した科学技術は、魔法と見分けが付かない(Any sufficiently advanced technology is indistinguishable from magic.)」という発言を残した人物もいるが、そもそも魔法なので見分けが付かないのも当然のことである。
概要[編集]
古来より世界には神々の力を自身に降ろし、それを用いて人々を救う人が存在した。この神の力と呼ばれるものが魔力であり、彼らこそが後の魔術師の源流となる存在である。しかし人類がその数を増やすにつれ、魔術師と一般人の格差は大きくなっていく。その状況に危機感を抱いたロンドン・時計台の魔術協会は永い時をかけて「魔力を必要とせずに発動できる魔術」という、これまでの概念を覆す儀式の創造に乗り出した。その道のりは困難を極め、一般人の為にならんとする魔術協会と神の御業の氾濫を食い止めようとする教会との衝突や、魔力の有無で人間の優劣とする「魔術師優位主義」を主張する派閥との内部闘争などを乗り越え、『科学者』と身分を改めた魔術師達が今日もその技術を広く伝えようとする人々の始祖となった。
科学の原理は2つないし3つ以上の物質を組み合わせる「合成」や、その逆である「分解」をベースにしている。これを用いて新たな物質を生成する他、熱や電力などの「エネルギー」と呼ばれる魔力を練り上げ、他の科学に使用する。これらは詠唱を一切必要とせず発動できるとして注目されていたが、近年では「機械」や「ロボット」などと呼ばれるオートマトンの発達に伴い、敢えて詠唱を行うことで思考や手作業の段階を飛ばしてより高度な魔術を発動する技術が主に魔術教会アメリカ支部などで開発されている。
魔術体系[編集]
時代を経て儀式は体系化され、現在では数多くの体系が存在する。
物理魔術[編集]
主に物体の運動や宇宙における魔力の振る舞いを纏めたもの。
基本魔術
- 運動魔術「速さは見た目に寄らず(F=ma)」
- 雷電魔術「痺れを切らす(ボルト・アクション)」
- 機械魔術「自動運転(マシン・モード)」
化学魔術[編集]
科学の基本である「合成」と「分解」に着目して発展してきたもの。一部の領域で物理魔術と深い繋がりがある。
基本魔術
- 合成魔術「新たな発見(ニュークリエイション)」
- 爆破魔術「粉骨砕神(スカイフォール)」
生物魔術[編集]
ヒトを始めとした生物に関わる魔術の体系。当初は魔力を生成できるように遺伝子を改変しようとする動きもあったが、現段階での技術では難しい模様。
基本魔術
- 進化魔術「ここまでの系統樹(オール・フォー・ミー)」
- 進化魔術「系統樹への割り込み(チェンジ・ザ・ワールド)」
その他の魔術[編集]
天文学……星を観測し、その動きを知る魔術
- 観測魔術「観測者(スターゲイザー)」
地学……土地を調べる魔術
- 調査魔術「自由地財(ジ・アース)」
複合魔術について[編集]
科学はその特性として様々な魔術を同時併用することでより強力な魔術を発動できる。兵器に用いられる場合も多く、それが元で近代により発展した。以下にその一例を掲載する。
物理・化学複合魔術
- 極大魔力合成術「無限の熱製(アンリミテッド・エナジー・ワークス)」(『20世紀最強の魔術師』とも言われるアインシュタインが魔術式を構築、後に魔術教会アメリカ支部が攻撃魔法として完成させる)
- 低温保存術「凍える世界(アイスメイカー)」(壁に囲まれた特定の空間内に固有結界を展開、魔力を用いて温度を低く保つ)
化学・生物複合魔術
- 空間制圧術「吸わば諸共(エアーコンディショナー)」(第二次世界大戦から本格的に使用が開始されたが、そのあまりの非人道さから『無限の熱製』と共に攻撃魔法としての使用が禁止されている)
- 生体治療術「処方箋(ドラッグストア)」(特定の症状に対して化学物質を投与することでその状態を改善させる技術、某ゲーム内の使わずに溜め込んでしまうアレもこれに該当する)