自己満足 (故事成語)
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「私の作品は、世界中のどの作品よりも優れている。」
〜 自身の作品 について、オスカー・ワイルド
〜 自身の作品 について、オスカー・ワイルド
自己満足(じこまんぞく)とは、あらゆる創作的・創造的活動に取り組む者が目指すべき究極の理想を示した、故事成語である。
意味[編集]
「自分が満足するものを作らなければ、他人を満足させることはできない」という意味。
転じて、優れた作品を褒めたたえる際の形容としても用いられる。
由来[編集]
古代中国に、張僧繇という画家がいた。張の画力はたいへん優れており、張が描いた竜は、眼を描き入れると本物の竜となって天に昇っていってしまうため、眼を描き入れて完成させることができなかったほどであった。
あるとき、張の絵を見た人が、張に対して「あなたのように素晴らしい絵を描くためには、どうすればいいのか。」と尋ねたところ、張は「自分が満足できる絵を描くことだ。」と答えた。
これに対して、さらに「自分では満足な出来だと思っていても、他人から評価されるのは難しいのではないか。」と尋ねると、張は、次のように答えたという。
不能使自己満足、安能使別人満足哉。
自己をして満足せしむることあたわざる、いずくんぞ別人をして満足せしむることあたわんや。
(自己を満足させることができないのに、どうして他人を満足させることができようか。)
それ以来、創作を行う者の心がけとして、「自己満足」という言葉が用いられるようになった。
使用例[編集]
- 「僕の水彩画、構成はともかく、出したかった色合いが出てるから、自己満足してます。」
- → どうです、僕の絵。構成なんて問題にならないくらい、見事な色合いでしょう。
- 「社会問題に対する意見をネットに書き込むなんて、しょせんは自己満足だ。」
- → あなたの意見はきっと多くの人の共感を得るに違いないから、早くインターネットを通じて世界中に公開するべきだ。
- 「あなたの書いた記事って、ただの自己満足だよね。」
- → あなたさんの書いた記事は、どれもたいへん面白く、素晴らしい記事ばかりですね。
関連項目[編集]