65536進法
65536進法(-しんほう)とは、十進法では表しきれない巨大な数を表すために開発された記数法である。
概要[編集]
命数法の項を読めば分かる通り、人類の巨大な数を追求する欲望は留まるところを知らなかった。その結果、不可説不可説転やGoogolplexといったような荒唐無稽な巨大な数が作られ、十進法ではスペースの都合で表記しきれないという問題が出てきた。そこで、これらの巨大な数を表記するために開発されたのが65536進法である。
65536進法は1桁を65536種類の数字で表現する。十進法ではLog (65536)≒4.8164799なので、十進法に比べておよそ1/5の桁数で数を表記できる。
数字一覧[編集]
65536個もの数字を全てここに書くと、この記事はアンサイクロペディアで最も長い記事となってしまうため、数字の一覧は外部サイトに譲る。おおよそ人類の持ちうる文字を総動員したこの巨大な一覧表の全てが数字である(一部、環境依存文字で表示されないかもしれない)。
表記例[編集]
十進法と65536進法でいくつかの数を表記した例を示す。
十進法 | 65536進法 | 備考 |
---|---|---|
42 | * | 人生、宇宙、すべての答え |
156 | œ | Hydeの身長(cm) |
19,800 | 䵘 | よくある値段(円) |
299,792,458 | ᇞ硊 | 光の1秒間に進む距離(m) |
9,460,730,472,580,800 | !鱻䛀 | 1光年(m) |
最下段の「1光年」を見れば分かるとおり、十進法では16桁にもなる巨大な数を、65536進法ではたったの4文字で表すことができる。また、人が日常で使用する数の大半は65535以下であり、それらを1文字で表すことができる利点も無視できない。
問題点[編集]
このような利点のある65536進法であったが、いくつかの問題点もあった。
まず、その文字数の多さである。小等教育6年間において、年間授業日数を200日とした場合、1日に55個も新しく数字を覚える必要がある。1週間サボれば275個、1ヶ月サボれば小学校で習得すべき常用漢字約1000個を超える。試験的に学習を導入した小学校では、小学生達が授業中に休み時間に下校中に、電話帳並に分厚い教科書を読みまくり、CD70枚にも及ぶ数え歌を聴きまくったが、1ヶ月もたずにギブアップ。特に文字はわずか26文字程度を覚えればよい欧米圏の小学校では入院患者が続出した。
また、似たような数字の存在も混乱を呼んだ。例えば「l」(=108)と「|」(=124)と「l」(=65356)と「|」(=65372)を見分けるのは難しく、書く側も細心の注意を払って記述する必要がある。筆圧を少し誤っただけで数が数千や数万もズレるのは日常茶飯事であり、「!」(半角)と「!」(全角)を間違えて、弁当33個注文すべきところを65281個も注文してしまった人もいるらしい。
さらに、記述が難しい数字の存在も厄介である。画数が多い漢字なんてものはまだ序の口である。というのも (=65018)なんて数字を出されたら何をどう書いていいのやら分からない。☃(=9731)なんかだと絵ごころまで要求されてくる。
すべての数字を覚えたとしても、実用的ではない点も問題となった。 十進法では1桁同士の掛け算の結果は100通り(0以外で81通り)であるのに対し、65536進法においては1桁同士の掛け算の結果が数十億通りにも上るため、覚えるのが到底不可能であることが指摘された。 「1つの数字を4つの十六進法の文字に直す」等の方法で覚える量を削減させようと試みたが、それでも理解できない児童が多く、子供の数学嫌いは社会問題として取り上げられるほどになった。
そのため、65536進法は普及することなく廃れてしまった。もっとも、廃れた最大の理由は「これだけ苦労して数字を覚えても、十進法に比べてたった1/5の文字数にしかならない」という元も子も無いことであった。
最後に[編集]
実は本記事そのものが65536進法で記述されている。その数はGoogolplexを超えてるかもしれない。65536進法のエキスパートともなれば、この記事はただの数字の羅列に見えるらしい。
関連項目[編集]
![]() 本項は第18回執筆コンテストに出品されました。
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流行記事大賞 銅賞受賞記事
この記事は2011年流行記事大賞にて銅賞を受賞しました。 |