UnBooks:どきどき
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少女が問いかける。
「なんだかどきどきするね?」
「いいや、しないね。」
素っ気ない。
「ホントに?」
「ホントに。」
「どうしてどきどきしないの?」
「どうしてって…実際どきどきしてないんだから、ただありのままに現状を伝えただけだよ。」
「私とじゃ、どきどきしないってこと?」
「誰とだろうと、どきどきしないよ。」
素っ気ない。
「そう…じゃあ…」
少女はブラウスのボタンをひとつ、ふたつ、みっつ外した。
「これでも、どきどきしない?」
そう言って胸元を肌蹴て見せる。
「どきどきしないね。」
素っ気ない。
「これでも?」
そう言ってブラウスの襟をを肩から肘あたりまで下げる。
少女の微かな胸の膨らみが半分露わになる。
「しないね。」
素っ気ない。
「そう…。」
少女はブラウスをそのままに立ち上がり、穿いているスカートの裾に手を伸ばす。
「これでも、どきどきしない?」
そう言って裾を持ち上げる。白い太腿が露わになる。
「どきどきしないね。」
素っ気ない。
「これでも?」
そう言って少女はそのままスカートの中に手をすべり込ませるとパンツを下ろす。
膝のあたりまで下すと、またスカートの裾を持ち上げてひらひらさせてみせる。
「しないね。」
素っ気ない。
「そう…。」
少女はパンツから片足を抜くと、少年の体に跨る。
「これでも、どきどきしない?」
そう言って肌蹴た胸元から覗くブラジャーを上へずらし、露わになった乳房を両腕で内側へ寄せて見せる。
「どきどきしないね。」
素っ気ない。
「これでも?」
そう言って膝を立て、腰を浮かせると少年の頭部を両手で抱きかかえる。
少女の乳房と少年の頬、ふたつの体の柔らかい部分が互いに押しあってできた歪な曲線がゆらゆらと揺れる。
「しないね。」
素っ気ない。
「そう…。」
少女は少年の体に腰を下ろすと、鼻と鼻がくっつく距離まで目いっぱい顔を近づける。
「これでも、どきどきしない?」
少女が言葉を発すると、動いた唇がかすかに少年の唇に触れる。
顔だけでなく、体全体を密着させて乳房を少年の薄い胸板に押し当てる。
「しないね。」
素っ気ない。
「これでも?」
少女は唇を重ねる。そのまま少年の首に両腕を回して頭部を固定すると、唇から舌を潜り込ませて深い深いキスをする。
キスをしながらか細く白い体を波打たせ、まるで一本の紐を撚り合せるように2つの体が絡み合う。
「しないね。」
素っ気ない。
「そう…。」
少女は少年の首に回していた両腕をほどき、手で首を掴むと目いっぱい絞めあげる。
「これでも、どきどきしない?」
少女が親指に力を込めて、喉ボトケを押しつぶすように絞め続ける。
「しな…い…ね…」
素っ気ない。
「これでも…?」
華奢な腕からは想像もつかないような力でぐいぐいと絞め続ける。
「しな…い…」
素っ気ない。
「そう…。」
「しょうがないよね。」
少女は素っ気なく呟いて少年の体から降りた。
乱れた服装を直して、少年の隣に座る。
いつもより外が騒がしい。
パトカーのサイレンがけたたましく鳴り響いている。
うなだれる少年の顔を覗き込んで、微笑みかける。
そして
少女が問いかける。
「なんだかどきどきするね?」
![]() 本項は第19回執筆コンテストに出品されました。
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