UnBooks:便所飯倶楽部

出典: へっぽこ実験ウィキ『八百科事典(アンサイクロペディア)』
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Upsidedownmainpage.jpg 執筆コンテスト
本項は第19回執筆コンテストに出品されました。
「たっくんがさー働いたら負けかなと思ってるんだけどマジぱないよね~」
「今度閑静な住宅街に出来たカフェのケーキが美味しいみたいだけど明日行かない?」
「ちょwwwあんたまだそんな穴あると思ってるのwww」

周りの奴らのカスみたいな伝達、楽しい時を過ごすことで得られる偽りの人間関係、私はいつの日か馴れ合うことを毛嫌いするようになった。


私の名前は坂口翔美(さかぐち ぴっぴ)大学1年生だ。小学校のときギエピーのせいでいじられ気が付いたら周りに誰もいなくなってしまった。そんな私が便所飯を恒常的に行うようになったのは自然の流れであろうことを、私は自身に言い聞かせている。 便所飯は私のようなぼっちに密かに人気があるみたいで、若い女性の100人に1人が便所飯の経験アリとのことだ。まあ私のように中学に入ってからずっと便所飯を行っているようなベテランはそう居ないだろう。 浪人したせいで周りに知る者もいなかった私が5月になった今でもぼっちなのは言うまでもない。学生食堂の喧騒の憑代となったフロアを抜け出し、いつも通り隣の館の3Fのトイレでチキンカレーを食べる予定だった。いつの日か便所飯がオリンピック認定種目となる日を待って。 いつも通り1番奥の個室で食べようとしたが、なぜかそこだけドアが閉まっていた。隣の個室のドアに手が触れるか触れないかの内にドアが開いた。


ガチャ


私はリビングでアーン♥♥な内容のDVDを見ているところを母親に見られた厨房のように強張ってしまった。ああ、又トイレのピッピさんって呼ばれるのだろうな、ドアの中の人を見るまでは絶望と不安感に苛まれた。しかしそれは、1=2を証明したような希望と高揚感に変わった。

「ふえっ、すいません」

バタン トイレから出てきた少女はスプーを初めて見たときのリアクションを取って個室に戻っていた。私と同じ形の空になった皿を持って。

「ねえ、そこのあなたも便所飯プレーヤー?」
「え?「も」ってことはあなたもですか?」
「カレーを持ち込むなんてやるじゃないか、ほら、こっち出てきて話そうよ。」

彼女の名前は町田相模(まちだ さがみ)、引っ込み思案で大学に入ってからはずっと便所飯を行っているビギナー便所飯プレーヤーだ。茶髪のロングで背は低く一部の人々から絶大な支持が得られそうな可愛さを持ち合わせていた。因みに出身は埼玉だそうだ。私たちはすぐに意気投合し、学生食堂に一緒に行くようになった。もちろんフロアで食べている。仲のいい奴と一緒に昼飯を食べるなんて本当に何年振りだろうか、いや、そもそも一緒に昼飯を食べるほど仲の良かった奴なんていたっけな。向かい合って、ラーメンをトイレの中では出せない位大きな音を立ててすすっていると、相模が神妙な顔つきで話してきた。

「あのさ、翔美。ずっと思っていたことがあるのだけど・・・」
「ん?卵かけご飯エクストリームスポーツじゃないとか?」
「卵かけご飯は好きだからそんなことは思っていないよ、それよりもさ、私たちの他にも1人で寂しくご飯を食べている人がこの大学にもいると思うんだ。その人たちを誘ってさ便所飯プレーヤーから卒業させるのはどうかなって思ってね、サークルを立ち上げるつもりでいるんだ、その名も「便所飯倶楽部」!活動内容は「仲良く食事を取る」シンプルで兼部OK部費無料!みんな入ってくれると・・・」
「あのねぇ、便所飯ってもっとこっそりやるものじゃないの?それに好きで1人で居る人も居るかも知れないし、第一そんな大したことない目的でサークルの許可降りると思っているの?」
「そんな、でも便所飯プレーヤーが他にも居るってこと分かれば心ひらいてくれるはずだよ!」

相模は自分という存在が否定されているかのような剣幕で、語ってきた。普段おとなしいこいつがここまで言うんだから、本気なのだろう。

「私ね、中学の時から便所飯プレーヤーやっててね、高3の時にあんたと会った時みたいに他の女子に見つかっちゃったのよ、運の悪いことにそいつがクラスの中心人物だったせいで、帰りの会でわざわざ私のことを議題に挙げてくれちゃってね、それからずっとトイレのピッピさんって呼ばれ続けてね。それで学校行かなくなって浪人、って訳。便所飯プレーヤーなだけで周りから誰もいなくなっちゃうよ。」
「でも私は翔美と友達になれて良かった!他の人は自分が変な目で見られることが嫌なんかじゃなくて、友達ができない自分のことが嫌に決まっている!そんな人たちが自宅警備員になっちゃう前に助けてあげたいの!少しは分かってよバ検閲により削除

タタタタタタタタ

チャーシューの残ったラーメンが居なくなった少女に最後まで食べてほしかったと言っていたように私には聞こえた。


昼休みが終わり、授業が終わった後教室を探したが相模の姿は無かった。疲れたので便所飯を行っていたトイレで一息つこうとした時1番奥のドアが閉まっていることに気付いた。

「相模?相模でしょ?本当にごめん、私も相模と友達になれて嬉しかった、相模と会うまで昼ご飯も」


ジャーーーー


ガチャ



「すいません、違いますけど」

そこにいたのは長身で黒髪を伸ばし眼鏡をかけた、委員長がいた。本当に恥ずかしい、見ず知らずの他人に何を言ってるのだろうか。いたたまれず、個室に入って腰を乗せた。ため息をついた時に隣からノックが聞こえた。

「紙ですか?お渡ししま・・・」
「翔美がそんなことを思ってたなんて、知らなかった。ごめんね。」
「相模・・・」
「私が感情的になりすぎちゃったね。私友達そんないなかったから、どうコミュニケーションを取っていいのか分からなかった。本当にごめんね。」
「そんな、相模は何も悪くないよ、謝ることはないよ。」
「ふふっ、顔が見えないのにすぐ隣にいるってなんか面白い。」
「人の心にもこういう壁はあるのだろうね、自分が引きこもっているだけで、周りには幾らでも仲良くしてくれる人はいるのに。あんたと仲良くなれてようやくわかったよ。」
「翔美・・・」
「自分で扉を開ける勇気のないやつはいくらでもいる。そういうやつの為にも手を差し伸べてやるべきなんだろうな、かつてそうだった奴らが。」
「じゃあ翔美、便所飯倶楽部やろうよ!副部長の椅子もあげるよ」
「はぁ?部長の間違いじゃなくて?」

新入生の皆さん、こんにちは!便所飯倶楽部です。

ランチメイト症候群 便所飯 トイレごはん

この中のどれかにピンと来た方、もう安心してください。あなたは一人ではありません。このクラブに入ることで、あなたと同じ脛に傷をもつ方々が仲間になってくれます。今年で来たサークルなので上下関係もいじめもありません。部費は無料、兼部OK、活動は昼休みや土日に行います。 主な活動

そのほかにもアイロニング等様々なエクストリームスポーツも行いますので、便所飯をやりたくない方も大歓迎です。是非おいでください!




数年後私たちはかつての良き時代のような地域社会の育成に携わることになろうとは考えてもいなかった。

便所飯 みんなで食べると 友情飯

孤立化抑制プロジェクト標語より抜粋

―完―

関連項目[編集]