UnBooks:鬼太郎
これはオニ太郎についての話です。キ太郎ではありません。
むかしむかし、ある所に、おじいさんとおばあさんがいました。
おじいさんは山でシバかれて、おばあさんは川でシバかれました。[誰に?]
ある日、おばあさんが川でシバかれている[誰に?]時、大きな大きな桃がドンブラコ、ドンブラコと流れてきました。
おばあさんは取りに行きましたが、取れませんでした。
その夜、おばあさんは、一人泣き崩れました。
所は変わって、鬼ヶ島。
海で洗濯していた赤鬼がその桃を取りました。
その桃を切ってみると、中には鬼の赤ちゃんが。
「母ちゃん、子供が入っとったぞ」
「子供?どこの子じゃ。」
「桃からじゃ。桃。」
鬼たちは、この鬼の子供を「鬼太郎」という名にし、育てる事にしました。
そして、早7年。鬼太郎はすくすくと育ち、身長は180cm、体重は85kgの巨人鬼となりました。
鬼太郎はある日、こう言いました。
「鬼退治に行きたい」
赤鬼とその両親は大反対しました。
「や、やめなさい。私達が鬼なのよ」
「いいじゃん、楽しそうだし」
「それは桃太郎じゃないのよ。私達は桃太郎に襲われる事に怯えてるのよ!」
「じゃあ、桃太郎を倒すのもいいかもね」
「知らないわよ」
こうして、鬼太郎は桃太郎らの軍団を退治しに行きました。
鬼ヶ島を出て、森へ入っていくと、キジがいました。
「どうしたんだい?」
「いや~、桃太郎がね、詐欺やっててさ。それでオラなんか300万奪われて…」
「詐欺か。。。そうだ。その桃太郎を退治しに行かないか。きび団子みたいな奴やるからよ」
「本当に?もちろん行くよ」
キジが仲間になりました。
そして、山に入る直前、猿が湖のほとりで叫んでいました。
「●●●の、バカヤロー!」
「どうしたんだい?」
「あー、オラの家壊していったんだべ。あの桃太郎がよ。」
「やっぱりそうだったのか。……そうだ、よかったら、団子もどきやるから、退治に行かんか?」
「それはいいっぺ。」
こうして、猿が仲間になりました。
さらに、山の途中、
「おや、なぜ泣いているのかね」
「おらの人生終わりだぎゃ…桃のやつにやられたもんだ。妻が殺されたんじゃい」
「それはお気の毒に。じゃあ、桃太郎退治へ行かんか。」
「退治…おらはやめるわ」
「そんな事言うたら駄目よ。さ、行かなくては。」
こうして無理矢理ながらも3人がそろいました。
こうして歩いて行くと、桃太郎の家に着いた。
そのころ、桃太郎の家では、
「ヒャハハ。300万頂いたぞ。」
「最初は取れんで悲しかったが、二個目はとってもよいやつじゃったぞ。」
「フフフ。今度は鬼退治して、金でも奪おうかな」
と会話してたというのは、言うまでも無いようです。
そして、桃太郎が家から出てきました。
「さーて、仲間仲間。」
「よし。かかれ!」
桃太郎はびっくりして、川にずり落ちました。
桃太郎は川へまたドンブラコ、ドンブラコと流れて行きました。
「これでいいんだか……」
こうして村に平和が戻りました。
それにしても、桃太郎は今、どこを流れているのだとか。めでたし、めでたし。半分めでたくない。