UnNews:「社会が変わってしまう」 岸田首相、家族の在り方に危機感?
【2023年2月7日 配信】
岸田首相が、2月1日の衆議院予算委員会において「家族」の在り方に危機感を表明した。この発言が大きな波紋を呼んでいる。
夫婦別姓・同性婚の問題について、「家族観や価値観、そして社会が変わってしまう課題なので、社会全体の雰囲気のありようにしっかり思いをめぐらせたうえで判断することが大事だ」と述べた岸田首相。社会の「変化」に焦点を当てたこのコメントは、特に左派と呼ばれるようなリベラル層から批判されているが、実は真意がほとんど伝わっていないという。秘書官のA氏に話を聞いた。
「男色が禁じられるようになったのは近代以降。むしろ、男色こそが日本のこころと言っても言い過ぎではありません」――と、強い言葉でA氏は語る。確かに、キリスト教が十分広まらなかった日本では男色に対するタブーはほとんど存在しなかった。法制で禁止されるようになるのは鶏姦罪[1]によってであり、それも長続きしていない。同性「婚」というシステムは存在しなかったものの、同性愛を「悪」とみなす価値観は存在しなかったようだ。特筆すべきは井原西鶴の著作『好色一代男』である。作中、主人公の世之介は3742人の女性、そして725人の男性と関係を持ったことが描かれている。そしてこの作品は、「理想的な生活」として熱狂的な支持を得たのだった。女性同性愛は抑圧されていたという側面は否めないが、「男色は日本のこころ」という、A氏の意見にもうなずける。しかしそれでは、なぜ岸田首相はあのような言葉遣いになってしまったのだろうか。
これについてA氏は、諸外国からの圧力を意識したのではないかという。「日本はその歴史から言って、半ば『同性愛差別』を諸外国から押し付けられることになりました。この文脈では、日本が『同性愛容認』の社会であることはアイデンティティにつながります。しかし今、日本は諸外国からの圧力を受けて『同性愛容認』に移ろうとしている。つまり、本来『日本のこころ』であるはずの同性愛が、アイデンティティではなくなってしまうのです。この点を、『社会が変わってしまう』と表現したのではないでしょうか」
そう考えれば、歴史的事実と首相の発言に整合性が取れる。「発言に責任感がない」などと揶揄される岸田首相だが、様々な思慮のうえで発言をしているようだ。政治家の発言を聞く際には、時に深い読解力が求められるのだということを痛感する限りである。
なお今回話を伺ったA氏は、3日夜に「(同性婚カップルが)隣に住んでいたら嫌だ。見るのも嫌だ。」と発言し、即時更迭された。その発言の背後には、どのような思考があったのだろうか。
脚注[編集]
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