UnNews:ゴッホの名作「ひまわり」改名 「トマトスープ」に
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【2022年10月15日 配信】
ゴッホの名作「ひまわり」のタイトルを「トマトスープ」に改名すると、本作品を収蔵するナショナル・ギャラリーが発表した。
ゴッホはひまわりをモチーフに多くの絵を残したことで知られており、「花瓶に刺さっている」構図のみに絞ったとしても7作は制作されたことが広く認められている。ゴッホの「ひまわり」作品群が評価される要因として単に満開のひまわりを描いたわけではないという点が挙げられる。しおれていたり、既に種が成熟したりしているひまわりを対象とし、また対称性を崩すことで構図がダイナミックになるのである。
完成から優に100年以上が経過している本作だが、この度「トマトスープ」に改名するきっかけを与えたのは2人の環境活動家である。彼女らはトマトスープを「ひまわり」の絵に乗せることで新たな芸術性を付加することに成功したのだ。
中央部にかけられたトマトスープは絵の主題たるひまわりを覆い隠す。しかしトマトスープ自体はあくまで「カバー」としての役割に徹しており、自らが「主役」に成り代わらない。つまりここにおいて、トマトスープは「主題の不在化」という役割を担ったのである。「描く対象」=「主題」が絵画の文脈では当然存在したが、そうした既存の在り方に疑念を呈した格好だ。
ナショナル・ギャラリーはこの件について、「額に傷がついた程度で大きな影響はない」とコメントしている。
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