UnNews:犬へのマイクロチップ装着義務化 ブラック企業を後押し
【2022年6月5日 配信】
ブラック企業への風当たりが強くなって久しい。ハラスメントの類もさることながら、長時間労働・サービス残業などの伝統的なやり方が否定されつつあることも逆風となっている。高度経済成長期に各方面から称賛された年功序列すらも見直しを迫られる状況で、もはやブラック企業は零細化、あるいは方針転換をするしかないという段階にまで追い詰められている。
そんな折に、政府からの福音だ。犬にマイクロチップを装着し、個人情報を一括管理することが義務化されたのである。
一件当たり数千円という手ごろな価格で耳の下あたりにマイクロチップを埋め込み、微弱な電波を拾うことで半永久的に動作する。15桁の識別番号が各マイクロチップに設定されており、専用の読み取り機を用いてデータベースから個人情報を引き出すことができる。具体的には、所有法人名、住所、電話番号などが主なものである。仮に犬が出奔し、どこか交番などで保護された場合にも、所有する法人に返還することができるようになる。ブラック企業は日本の伝統を受け継ぎ、多人数で一つのものを扱う結束力や「やりがい」の意識など精神力を前面に押し出しているが、最近の若者は貧弱なため伝統を受容するほどの力がついていない。結果として逃走・失踪、あるいは反抗による辞職が多くなっているのが現状であるが、マイクロチップにより犬を完全管理することが可能になる。例えば入社ゲートに読み取り装置を導入すれば誰が出社しているかの一元管理をできるようになるし、前述した通り保護後に行方を掴めなくなるということもなくなる。さらに逃走歴や犯行歴を記録することで、スティグマ化して見せしめにすることも可能であり、非常に使い勝手のいい代物となるのは間違いない。家族観・仕事観などの日本の伝統を意識した、自民党ならではの政策と言えるだろう。
また今後のアップデートで位置情報発信機能もつくことが明らかにされており、さらに利便性が高まることが期待されている。位置情報は運営上非常に重要な要素であり、特に勤務外時間の位置情報を解析することで「どの程度自発的に会社に貢献しているか」を測ることができるほか、警察による保護を待たずに探索・連れ戻しが可能になるという利点があり、飼い主は首を長くして待ち望んでいる。また正式リリースはされていないものの、耳下部は脳に近いこともあり脳波干渉への応用も研究されているようだ。統制・結束力の向上にも役立ちそうである。
ブラック企業の再興に向けた政府の取り組みは、実を結ぶだろうか。ジョージ・オーウェルが、空から見守っている。
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