UnNews:違法ドラッグ製造の疑いで学生2名を逮捕
メタンフェタミン(methamphetamine)は覚醒剤の一種。上掲の画像のように、水晶のような美しい結晶をもち、また服用時にも水晶のような心地へと誘われることから、英語圏では「Crystal meth」とも呼ばれている。日本語での俗称「シャブ」と比べると、実に美麗な響きであると言えるだろう。
【2009年4月25日(土)19時23分57秒配信】
アメリカ・インディアナ州のエルクハート警察は24日、インディアナ州立大学神学部の学生2名を、メタンフェタミン製造の疑いで逮捕したと発表した。
アメリカ麻薬取締局(DEA)は同日、この2名が保有していたアパートの一室を捜索し、違法薬物製造に用いられたとみられる大量の化学物質や器具を発見・押収した。一部の州で流行している数種類の違法ドラッグは、ここで製造されたものとみられている。
「この手のドラッグを製造することは、比較的容易だ。」と、DEA幹部のレッド・ネクスバイン氏は語る。「しかし、その製法は、僅かなミスでも炎上や爆発を招く場合があり、非常に危険なものでもある。従って、我々は薬物の売人や中毒者を常時監視しており、製造を行っている施設や工場などを発見した場合には、速やかに捜索・押収を行っている。
今回の事件では、我々は非常に大規模な“工場”を潰滅させることに成功した。これで、エルクハートでの違法ドラッグの流通量は激減するだろう。これが、正義であり、また神の思し召しであるというものだ。」
しかし、その後の捜査によって、違法ドラッグの取り締まりは「神の思し召し」にそぐわない可能性があることが明らかになった。エルクハート警察によって行われた尋問において、容疑者らは、ドラッグの製法についての情報を、聖書——当然、キリスト教の聖典であるところの新約聖書である——から入手したと供述しているというのだ。
「勿論最初は、彼らが我々を騙しているのだと思った」ネクスバイン氏は続ける。「この手の嘘や妄言には、我々はいつも耳を貸さない。自白が取れないならば、調べるまでのことだ。製法をどのように知ったのか、設備はどのように入手したのか、それらに組織的な背景は無いか——。
しかし、今回に限っては、何故かそういったことが一向に明らかにならず、そればかりか、あらゆる状況証拠が、彼ら2人が自分達だけで全てを賄っていたことを示していた。結果我々は、通常とは異なる方向へと捜査を進めざるを得なくなった。」
アパートの捜索にあたった捜査員たちは、いずれも、室内に聖書は見当たらなかったと証言している。「我々は、留置場に備え付けてある聖書を彼らに示し、一体この聖書のどこに製法が記されているのかと尋ねた。すると彼らは、その聖書には製法は記されておらず、自分達は州立大学の大学図書館に保管されていた聖書を閲覧した際に、『啓示』第5章15節-22節で製法を発見したというのだ。その聖書にはまた、現代の聖書からは失われてしまった、いくつもの重要な記述が残っているのだ、と。」
DEAは、容疑者たちの助言に従い、すぐに大学当局に連絡した。「我々は、彼らが言う『啓示』の第5章15節-22節の文面を送って貰えないかと、大学当局に依頼した。しかし、神学部の教授のひとりが図書館で確認したところ、『啓示』第5章は14節までで終わっており、15節などというものは存在しないという。我々はなおも食い下がり、教授に、容疑者の学生の供述内容を話すと、教授は更に詳細に調べてみると約束してくれた。」
そして今朝早く、州立大学神学部のB・ファドル教授は、弊紙の独占取材に応じ、次のように語った。
「聖書研究歴65年の私だが、聖書にドラッグの製法があるとか、『啓示』第5章が15節以上あるとか、そんな話はこれまで全く聞いたことが無かった。私は、穴が開くほど『啓示』第5章を読み返したが、いくら読んでも、いくら数え直しても、節は確実に14しか無かった。
しかし、印刷技術が発達する以前においては、聖書は人間の手によって書き写されることで伝えられていた。そして、その過程では、誤植や書き間違い、あるいは節や章の脱落、更には新たな文章の追加などが、無数の人々によって行われてきた。聖書には、数多くの版があるのだ。
私は、大学図書館に保存されている数千冊の聖書を全て確認し、そして、『啓示』第5章に22の節を有する版を発見することができた。確かに、逮捕された学生たちもこの版を見たのだろう。この記述は、1427年から実に500年以上にわたって忘れられていたものであり、学術的にみても大きな発見だと言える。既にネクスバイン捜査官にはこのことを知らせてあるのだが、彼に報告するときの私の口調や表情は、きっと嬉しさに満ちていたに違いない。」
勿論、その聖書——むしろ古文書と呼ぶべきだろうか——は、500年の時を経て古びてしまっているため、損壊予防の観点から、大学図書館から持ち出すことはできない。エルクハート警察は、大学当局と協議した結果、公判で使用するために当該ページの写真を撮影する許可を得ることができた。この写真は弊紙にもコピーが許されたため、以下に掲げる。

(15)そしてわたしは、み座に座っておられる方が、こう言われるのを聞いた。(16)「わが子よ、世の終わりは間もなくやってくる。その前に、私は手づから、大いなるものを贈る。(17)その贈りものは、あなた方に楽しさと幸せさとを齎し、また快くさせるだろう。(18)それは、塩のような色、塩のような形をもっている。これは私からあなた方への最初の贈りものであり、あなた方はこれを、意のままに楽しむことができる。(19)しかし、自らのみで楽しみすぎることは、やがてあなた方に苦しみを齎すだろう。この贈りものは、隣人へと分け与えることによって、楽しみと快さともまた分け与えることができる。(20)この贈りものは、あなた方の土地からより高みへと旅するために必要であり、エフェドリン、フォスフォラス、アイオダインという名で呼ばれている三つのものたちが、旅の友となるだろう。(21)三つのものたちに、水の素を加えることで、全てはひとつになる。それにより、私もまた、楽しませられることになるだろう。(22)ひとつになったものが快いこと、それこそが、あなたの主である私が、あなたを導かんとするところである。
公判は次の水曜日に行われ、容疑者の学生2名が、違法ドラッグを供給する目的で化学物質や設備を保有した罪——インディアナ州法では、最高刑は終身刑となっている——で告発される予定である。
彼らの製法の知識が聖書によって齎されたものであること、また、神が違法ドラッグの製造を赦しているとする記述が存在することが、彼らの刑が減免される材料となるかは、わからない。しかし、警察の調べによると、彼らはまた、12世紀のユダヤ教の『出エジプト記』からLSDの製法を、また仏教の聖典のひとつ『華厳経』からマリファナ吸引用の水パイプの構造を学んでいたという。
これらの事実から、弊紙の顧問弁護士は、この裁判の行方について、次のように予想している。
「神のみぞ、知る。」
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