ジャニー喜多川による性加害問題
ジャニー喜多川による性加害問題(-きたがわ-せいかがいもんだい)は、芸能界やマスコミで広まっていた噂話。2023年になり、それらが事実だと判明した。
概要[編集]
1962年、ナベプロ系列の芸能事務所として設立された「ジャニーズ事務所」は創業者のジャニー喜多川のもと、演歌・歌謡曲が中心だった日本の音楽界に「J-POP」路線で進出を図った。「男の子女の子」で1972年にデビューした郷ひろみは「新・御三家」と称されるほどの人気を集めると、1980年には近藤真彦が「スニーカーぶる~す」でデビューし、以降毎年レコード大賞を争った。その後、少年隊や光GENJIがヒットを連発し、日本の歌謡界・芸能界に「男性アイドル」というジャンルを確立することに成功、屈指の芸能事務所へと成長していった。
1990年代以降はSMAPやKinki Kids、TOKIOなどのアイドルグループがヒット曲を連発、バラエティ番組も持つようになると、「姉が勝手に書類を送って合格した」などという話が生まれ始めるなど、独特の存在感を持つようになった。
そうした中で出てきた噂が「ジャニー喜多川はゲイで、未成年に性的行為を強要している」というものであった。1999年に週刊文春が取り上げると、2004年には東京高裁が認め、国会の審議でも取り上げられ、告発本の出版が相次ぎ、文春で取り上げられたころから急発展を始めたインターネット掲示板上では周知の事実となり、なんなら本日本語版アンサイクロペディアでも「ジャニーズ事務所」の記事はほぼその事しか書いていないなど、知る人ぞ知る噂として語られてきた。
2019年6月にジャニー喜多川が死去すると、各マスコミは揃って生前の功績を讃え、東京ドームでお別れの会が開かれた。この会には当時の総理大臣・安倍晋三が弔電を送ったほどであり、国民的プロデューサーの死は日本中で惜しまれた。
2023年、イギリスBBCがこのジャニー喜多川にまつわる噂を取り上げると、やがて欧米の人権団体、そして国連までも追及するものとなった。
内容[編集]
噂の発端となったのは、1960年代に語られた
- ジャニーズの芸能学校が未成年の生徒に対してわいせつ行為を行っている
というものであった。これは当時、東京地裁により否定された。
その後、1990年代になると
- ジャニーズJr.のメンバーが喜多川の自宅に呼ばれ、手淫・口淫された
- ジャニー宅にはJr.用の部屋とベッドが用意されているが、ジャニー本人のベッドはどこにもない
- これらの行為を拒むとデビューできなくなる
といった内容が広まり始めた。これは東京高裁も認めた噂である。
2023年には
- 13歳当時、レッスン後、ジャニー宅に泊まるように言われ、ジャニーによるマッサージを受けていると、手が股間に伸びてきた
- ジャニー宅に泊った際、寝ていると口淫され、射精させられた
- 性行為を受けた翌朝、1万円を貰った
- 8歳の時、ジャニーに車へ誘われ、性加害を受けた
などの内容も判明した。これはBBCや週刊文春が報じた噂である。
ジャニーズが認め謝罪[編集]
2023年5月、ジャニーズ事務所はこれらの噂が事実であると認めるに至った。それを受けて日本国内のマスコミが一斉に報じ出し、一気に社会問題となった。前年に「自民党は統一教会と密接な関係にある」という噂が事実となったことに続く出来事となった。
「ビッグモーターは客の車を意図的に傷つけている」という噂もこれまた事実と判明し大騒ぎになり、ジャニーズの話題が下火になった8月末、第三者委員会からの報告書が出された。その報告書を受けた会見では、ジャニー没後に社長を継いだ姪の藤島ジュリー景子が辞任し、後任に所属タレントである東山紀之が就くと発表された。
各界の反応[編集]
いずれも、東京高裁の判決から19年が経過した2023年のもの。
- 「噂として聞いたことはあった」
- ――東山紀之(ジャニーズ新社長)
- 「こうした噂を耳にしたことはあった」
- 「性加害などの人権侵害は、あってはならない」
- 「いかなる性加害も許されない」「今後もタレントは起用し続ける」
- ――モスバーガー(CMにジャニーズタレントを起用)
- 「人権を損なってまで必要な売り上げは1円たりともない」
- ――アサヒビール(CMにジャニーズタレントを起用)
- 「ジャニーズのタレントを起用することは子供への虐待を認めることで、国際的に非難の的になる」
- 「被害者救済と再発防止策が取られない限り、タレントをCMに起用できない」
- ――モスバーガー(CMにジャニーズを起用)
このように、2023年にいきなりジャニー喜多川の噂を知らされ、その上でそれが事実だと知らされた各界には大きな衝撃が走った。知らされた直後に発せられた「な、なんだってー!?」という感覚が隠しきれていないコメントたちこそ、その証拠といえよう。