文字禍

出典: へっぽこ実験ウィキ『八百科事典(アンサイクロペディア)』
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文字禍(もじか)とは、中島敦の小説で、古譚のうちの一編である。歴史の闇に葬られた筈の文字の精霊についての記述がある点で、貴重な文献であると言える。

あらすじ[編集]

時はアッシリア王朝の最盛期、首都のニネヴェに大図書館ができたころである。当時のニネヴェでは文字の精霊についての噂が絶えなかったため、アッシュールバニパル王はナブ・アヘ・エリバという一人の博士を召喚し、これについて調査するように命じた。この研究に着手した当初はまったく手がかりを掴めなかったものの、博士は街角調査という非常に原始的な方法で統計をとり、ついに文字の精霊の秘密の一端を掴んだ。しかし、それを暴いてしまったという罪の贖いか、大地震が起こった際に彼は大量の粘土板に押しつぶされて圧死してしまうのだった[1]

文字の精霊の秘密[編集]

この短い物語の中で、主人公のナブ・アヘ・エリバ博士は「文字の精霊」について研究している。それは「文字の普及によってどんな悪影響が発生するのか」といったものである。彼は朴筮師に倣って[2]一つの文字を凝視、予想通りゲシュタルト崩壊してしまう。しかし当時にそんな認識があるはずもなく、彼は文字の精霊の仕業だと誤解して、同じ症状を持つ人々を探して街角調査を始めた。そして街角調査を続けていくうちに、「蝨を捕るのが下手になった」「眼に埃が余計はいるようになった」「今まで良く見えた空の鷲の姿が見えなくなった」「空の色が以前ほど碧くなくなった」など、明らかに視力が低下した人々の話を聞く。それを文字の精霊の所為とし、さらに「が出始めた」「くしゃみが出るようになって困る」「しゃっくりが度々出るようになった」「下痢するようになった」など、今度は運動不足に陥った人々の話を間に受け、これも文字の精霊による影響とした。文字にとってはとんだ災難である。

この小説が示唆するもの[編集]

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独自研究:この記事や節の内容は独自研究であるとする見方もあるようですが、ここアンサイクロペディアで笑いを取るためには自分のアイデアを記事に注ぎ込む事が不可欠です自己言及的なページにならない程度に我が道を突き進んでみてください。

ナブ・アヘ・エリバ博士は、自分の体験も相まって「文字の精霊は人間に悪をもたらす」とすっかり思い込んでしまった。これを不服とした文字の精霊は地震を起こし、博士を圧死させたという。この誤解は、現代の人々からすれば如何にも馬鹿馬鹿しく、当時の人間の無知を嘲笑せざるをえないと思うかもしれない。だが、文字を読むことによって視力が悪化するのは事実であるし、文章を読んでばかりいると運動不足になるのも免れない。つまり、この文章は勉学に傾倒し過ぎるであろう人類の末路を暗示しているのだ。そして、同時にそれから救われる手立てを読者に考えさせるものでもある。もしかしたら、文字の精霊は本当に存在するのかもしれない。この文章を読んでいるそこのあなた、注意した方が良いぞ

脚注[編集]

  1. ^ 紙が普及していなかった当時のエジプトは、粘土板に文字を記していたという。
  2. ^ 作中には「卜者は羊の肝臓を凝視することによってすべての事象を直観する」とあるが、そんなものを真似したところで朴筮師の真似ができるわけがない。単純にやってみたかっただけであろう。

関連項目[編集]